【OIC】【防災】自然災害はどこまで防げる?

8月27日、OICワークショップ 8月第2回を実施いたしました!
9月1日は防災の日。
1923年9月1日に発生した関東大震災を踏まえて制定された日です。
学校で避難訓練や防災訓練が実施される人も多いのではないかと思います。
そこで今回は「防災の日」にちなんだワークを行いました。
今回のワークを実施した後になりますが、
今年の夏は日本でも各地で大雨や冠水の被害が出ました。
そういった出来事とも重ねて、災害について考えるきっかけになればと思います。

ネパールの大洪水
今回のワークショップの数日前、ネパールで大規模な洪水が発生し、大きな被害が出ました。
非常に衝撃的でタイムリーな災害ということで、まずはそれに関するニュース動画を皆で視聴しました。
近代以降の大地震
以上を導入として、続いて近代以降の日本で発生した大地震について簡単に触れていきました。
関東大震災をはじめ、いずれも歴史に残る大地震です。
夏の合宿に参加した人は、淡路島で阪神・淡路大震災の震源地にある断層を見てきました。
その経験からも、この地震がどれほど大規模なものだったのかが分かると思います。


ここで紹介した以外にも様々な地震が起きています。
また地震以外の災害も色々発生しています。
ここでは大きな災害の事例の1つとして地震を取り上げました。

それぞれの地震を比較してみると、同じ地震という災害でも被害の広がり方は様々であることが分かります。
例えば能登半島地震では、集落の孤立やインフラの脆弱性といった社会的要因が、復旧を遅らせる要因となりました。
そういったことは、地震に限らず様々な災害に対して言えることです。


災害についてリサーチしてみる
まずは以下の問いの中から1つ選んで、調べてもらいました。
このあと本題について考えてもらうための事前リサーチです。

参加者の回答
1、関東大震災で火災被害が大きくなったのはなぜか

地震当日は風が強かった。
昼間だったため、台所で火を使っている家庭が多かった。

木造の建物が密集していたから。

避難時に人々が密集し、荷物に火が燃え移ったことも火災が広がる要因となった。

路面損壊や避難する人々によって消防車の進行が阻まれ、初期消火が間に合わなかったから。

瓦の下の萱に火が燃え移り、見た目には燃えていなくても、いつの間にか内部で燃え広がっている状態になった。
前の大地震が220年前だったことで、正常性バイアスが働いた。
2、阪神・淡路大震災で建物倒壊が多かったのはなぜか

木造建築が多かったから。
亡くなった方の8割が、建物の倒壊によるものだった。
3、東日本大震災で津波から逃げ遅れた人がいたのはなぜか

津波がここまで大きいとは想定できなかったから。
津波を過小評価していた。
停電の影響で、住民に十分な情報が行き届かなかったから。

自分は大丈夫だろうという心理
(正常性バイアス)
が働いたから。
5、能登半島地震で救助・支援が難しかったのはなぜか

土砂崩れや道路の寸断により、救助車両が被災地に入るのが難しかったから。

交通インフラへの被害が支援を難しくさせた。
もともと被災地に向かう道路が少なかった。
(半島ゆえ代替ルートが少なかった)

被害が大きかった地域の近くに大きな都市がなく、避難所や支援拠点の運営が難しかったから。

道路等の緊急復旧の計画が不十分だった。
6、同規模の地震でも国によって被害が違うのはなぜか

地震が多い国の方が建物の耐震性の基準が高く、地震対策の程度に差があるから。

レンガ造りや石造りの、崩れやすい建物が多い国もあるから。
7、洪水の危険がある場所に、なぜ人は住み続けるのか

土地に対する愛着。
他に行く場所がない。
自然災害の被害はどこまで減らせるか?
ここまでは、災害についての「なぜ?」について考えてもらいましたが、以上を踏まえ、続いて今回の本題について考えてもらいました。
ここでは、まず自分で考えたうえで、グループごとに分かれて意見交換をしてもらい、その後、各グループの代表者に意見を発表してもらいました。

参加者の回答
今回は、グループごとの発表内容を意見別に集約して紹介します。

かなり減らせる
・インフラ整備や防災設備の充実によって被害を減らせる
・避難訓練の徹底

ある程度減らせる
・建築基準の見直し
・堤防を作る
・ライブカメラや観測所を活用して、異変を早急に察知する
→例えば、長野県で千曲川が氾濫した際、ライブカメラの映像によって、逃げ遅れる人を減らすことができた。
・過去の災害について次世代に語り継ぎ、危機感を持たせる
・ハザードマップの作成
・日頃の避難訓練

少しは減らせる/減らすことは難しい
・どれだけ頑張っても自然災害はなくならない
・どれだけ対策をしても想定を上回る自然災害が起こるかもしれない。
・例えば津波の場合、海の近くに住んでいる人は急いで逃げても間に合わないかもしれない。
・一方で、避難訓練を徹底することで災害から身を守れるかもしれない
→東日本大震災では、日頃の防災教育や訓練を生かして、子どもたちが主体的に非難した事例もありました。
今回、例えば
「避難訓練をすれば被害を減らせるかもしれない」
ということが、複数の意見の根拠として挙げられていました。
避難訓練によって被害を減らせるという点では、多くの参加者の意見が共通していました。
一方で、前提として、
自然災害による被害を、どこまで減らすことができるのか?
ということに対する見解は様々だったようです。
毎年9月1日をはじめ、学校で防災訓練・避難訓練をする機会はあると思います。
上記の通り、日頃の備えによって防げる被害はあることは、ある程度共通した認識だったようなので、これをきっかけに日頃の防災訓練にも、少し意識を向けて参加してみると良いかもしれません。
対策というものは急にはできません。
だからこそ、
昔から伝えられてきた言い伝えや教訓に耳を傾けたり、日頃から意識して備えておくことは大切です。
参加者の感想 ※一部抜粋

今までニュースを見ても自分事として捉えられなかったけど、今回のワークを通じて今までより自分事として考え、調べたり意見を言ったりできたからよかった。

地震の人的被害は過去の地震の教訓を活かせば少しでも減らすことができると思うが、建物の被害については、いつ来るかも分からない地震のために、頻繁に耐震構造が機能しているかどうかを確認できるわけではないから難しいのではないかと思った。

関東大震災の火災についてリサーチし、なぜ火災が拡大していったのかを学ぶことができました。

自然災害は人の力で完全に防げるものではないけど、被害を減らすことはできると思うので、そのための努力はしようと思いました。

最近、災害が多くて気になっていたので、しっかり考える機会になった。
自分の備えも大切だと思ったので、避難訓練や備えをしっかりしていきたいと思った。

自分が体験したことは、実際に活かしていけることも多いので、それをみんなに伝えたいなと思った。

自然災害は相手が自然だから人間の手で完全にコントロールはできないからこそ難しいなと思いました。またそこが危険だとわかっていても思い入れがあって動かないとか、当事者意識は体験しないと強くは芽生えないとか、人間の感情に関するところは難しいなと思いました。

お父さんが災害関連の仕事をしているので、隣で色々教えてもらいながら参加した。

日本の地震に対する防災対策がかなり役に立っていることがわかった。

合宿で淡路島の地震博物館に行ったばかりだったので、関心を持って取り組むことができた。

日本は過去の震災の教訓から建築基準や設備をアップデートしているものの、予想外が起こるのが災害だという意見を聞いて、確かに被害をゼロにすることは難しいなと考えた。関東大震災について、祖母が生まれたのが震災前後の日で、曾祖母が御百度を踏んだらしく、昔の人が大震災が起きた時に宗教に頼る気持ちも理解できるなと思った。

日本で生きる上で地震との付き合いは一生なので、個人でできることを時代に合わせてアップデートしながら、自治体や国の支援についても考えることが大切だと感じました。

2000年代に入ってから起きた大地震の事例を見て、いつどこで起きるかわからないのだと気づいた。しかし、日本の耐震技術や災害対策は進歩していると色々な話を聞いて思った。だから大切なのは自分の行動だと思った。

