塾の仕事をしていて気づく、受験直前期の大事な3つのポイント

こんにちは。木原です。

少し前の話になりますが
今年の漢字が発表されましたね。
もうご覧になりましたでしょうか?

今年は
・阪神タイガースの優勝
・大谷翔平選手の活躍
等々、野球関係で耳にする輝かしいニュースが多かった印象なので
野球関連の字になるかなと思ったのですが、
実際に見てみると
「あ、そっちか~」
と、思うような漢字でした。
漢検の公式HPにて発表されているので、まだの方はぜひ見てみてください!)

正直、個人的に流行語大賞は
「え、そんな言葉流行ってたか?」
「そんな言葉、全然耳にせんかったぞ、、」
と納得いかないことも多いのですが、
今年の漢字の方は、毎年クイズ感覚で楽しみながら
納得できていいます。(笑)

さて、今回はこの時期ならではの内容で
記事を書きたいと思います。

以前、以下のようなテーマで記事を書きました。

あれから3か月たち、早くも
受験生は直前の追い込みの時期となりました。

そこで今回は

受験直前期の大事な3つのポイント

というテーマでお話させていただきます。

なお今回は東京都立高校の受験生をイメージしながら書きますが、
他県の高校受験や中学受験にも通ずる部分はあるかなと思います。

今回お伝えするポイントは次の3点です。

受験直前期の大事な3つのポイント

1、先取りは遅くとも冬休み前に

2、目標点を明確にし、取捨選択しよう

3、直前期は「ラストチャンス」の連続

東京都の受験の流れ

本題に入る前に、
まずは東京都の高校受験生の
大まかな受験の流れをご紹介いたします。
(細かい日程は年によって異なる場合があります)

今回は三者面談以降~受験本番までを「受験直前期」とすると
この時期の主なイベントは以下の通りです。

〇1月中旬
受験前最後の模試
現在の自分の立ち位置を確認する

〇1月22日頃 私立単願
内申で決まる所が多いが、
上位校は当日試験がある場合も。
合格すればその私立で決定。

〇1月26日頃 都立推薦
成績+面接や小論文等で決まる。
倍率が高く、合格難易度は高め。

〇2月10日頃 私立併願
内申で決まる場合が多い。
学力試験や面接もある。
合格すればこれを滑り止めとし、
都立の第一志望にチャレンジできる。

〇2月21日頃 都立一般入試
内申+当日点で決まる。
合格すれば、ここで受験は終了。

私立単願を受ける人は、
11月の三者面談の時点で内申が決定し、それを元に
合格基準または出願規準を満たす学校へ出願します。
内申が実質合格基準になっている学校の場合、
当日の試験の点数や
日頃の過ごし方に大きな問題がなければ
当日受験し、合格できます。
※例えば、当日0点を取ってしまうなどすると、
合格できない場合もあります。
また上位校では
当日の試験で合否を決める場合もあります。

都立高校を受験する人は、
・都立推薦
・私立一般
・都立一般
と、よくある受験の流れでは3回の受験日があります。

都立の推薦は上述の通り
受験倍率が高く、合格難易度は高めです。
そのため合格を最優先し
ランクを下げて受験しようとするケースが見受けられます。
しかしランクを下げるのは、
合格後のモチベーションのことを考えると
おススメはできません。
私たちが受験指導を行う場合は、
「本当に行きたいところはどこか?」
ということを問いかけ、
安易にランクを下げることに対して
よく考えてもらうようにしています。

私立一般は、併願優遇の基準を満たしていれば
基本的には合格できるため、
都立の推薦が終わった後は都立一般に向けて
全力で対策していきます。

以上を踏まえたうえで
ここから先は都立一般を受験するケースについて
考えていきます。

大まかに、受験前最後の定期テストが終わった後は
以下のような順番で勉強していきます。

1、未習範囲の先取り
(中間試験後~12月中旬)
※夏に既に終えている場合は次へ

2、都立形式の問題を反復練習
(12月中旬~冬休み)
※自校作成校を受験する場合は、過去問演習へ

3、過去問演習
(冬休み明け~入試本番)

志望校のレベルや現状の学力によって
年間の学習スケジュールは変わってきます。

目安として偏差値60以上の学校を受験する場合、
受験直前期に1をやっている余裕はありません。
よって未習範囲の先取りは夏休みまでに終わらせます。
特に自校作成校を受験する場合、
受験直前期に、国数英で共通作成形式の練習を行う余裕はないので
夏のうちに2まで終わらせておきます。

一方で、
もう少しハードルが低めの学校を受ける場合は
夏休みには主に既習範囲の復習と未習範囲の先取りを行います。
模試夏休みのうちに終えられなかった場合、
上述の通り遅くとも冬休みに入るまでには1まで終わらせます。

そして都立入試では内申が非常に重要なので、
秋にはいったん学校のテスト対策に全力を注ぎます。

先取りは遅くとも冬休み前に

12月15日(中旬)というのは、
その後の受験勉強の予定から逆算したものになります。
大まかにまとめると、以下の通りです。

過去問演習+復習(7年分)
⇒4~6週間
※遅くとも冬休み明けにはスタート
(早いに越したことはありません)
 ↓
 ↓(そのために)
 ↓
冬休みいっぱいで
過去問演習前の反復練習を終わらせる
※都立形式の演習ができるテキストか、
 3年間の範囲から出題される
 11月以降の模試の過去問を使用

⇒大体20日~30日
 ↓
 ↓(そのために)
 ↓
遅くとも12月中旬には
先取りを終わらせたい。

大体このようなイメージです。
特に勉強が苦手な子の場合、
復習や先取りに時間をかけてしまい、気付けば年末…
となってしまうケースもあるため
ペース管理や取り組み内容の取捨選択が重要になってきます。

目標点を明確にし、取捨選択しよう

都立高校の受験指導を行う際、
毎年必ず、全員に対して行うことがあります。
それが以下の2点です。

1、本番の目標点を計算する

2、本番で正解すべき設問を決める

それぞれ具体的にみていきましょう。

1、本番の目標点を計算する

都立高校の入試では、
統計データをもとに
8割(6割)がた合格すると思われる
本番の目標点

を算出することができます。

他の受験でも
大まかな目標点を決めることはありますが、
都立入試ではかなり具体的に、
1点単位で算出することが可能です。

例えば9教科オール4の学生が
偏差値52のM高校を受験する場合
本番で1科目あたり65点取ることを目指します。

本番の目標点を計算する狙いは
勉強すべき内容を絞り込むことにあります。

私立高校や中学受験・大学受験でも
出題傾向や得意不得意によって、
狙いを定めて勉強することはありますが、
都立入試、特に共通作成レベルの入試は他の入試に比べて
出題形式や内容がかなり定まっており、
自分の目標に合わせて、
勉強すべき範囲、勉強しなくて良い範囲を
戦略的に定めることができます。

2、本番で正解すべき設問を決める

都立高校の入試問題は毎年の出題形式が概ね決まっています。

例えば数学の場合、大問3は関数で

・1問目は変域を求める問題
・2問目は式を求める問題
・3問目はx座標を文字で置いて求める問題

といった具合です。
※年度によって変わることはあります
※自校作成校の傾向は学校毎に異なります

以下、上記の65点を共通作成問題の数学で取るために
正解すべき設問の一例です。

都立の数学で65点を取る場合

のうち1つ取れればOK。
できれば3つとも練習しておき、
本番で1つ以上の正解を狙う。

※画像は東京都のHPより引用

なお、今回の場合
・各単元の最後にある文章題の部分
・(数学が苦手であれば)三平方の定理
は勉強しなくても大丈夫、と判断できます。

他にも、

・国語は漢字だけで20点分
・数学の基礎的な問題を集めた大問1(46点分)
⇒絶対に落としてはいけない部分

・理科社会の約7割が1,2年の範囲からの出題
・英作文は中1レベルの英文を1つ書けば4点取れる

など、優先的に勉強すべき範囲を決めるうえで
重要な情報や着眼点はいくつかありますので、
そういった情報を入手できれば
より効率的に勉強することができるでしょう。

一方で
自校作成校や難易度の高い学校
私立の一般を受ける場合は、
できない範囲・分からない範囲があってはいけません。
そのため夏休みの時点で先取りを終えておき、
秋の間に反復して苦手をなくしておくことが求められます。

直前期は「ラストチャンス」の連続

未習範囲の先取りまで終わったら
いよいよ本番形式の練習です。

この時、絶対にやってはいけないことがあります。
(受験直前期に限った話ではありませんが、直前期は特にです)
それは

分からないところをそのままにしておくこと
問題を先送りにすること

です。理由は、簡単に言えば
その時を逃せばもう復習するタイミングがないから
です。

例えば、冬休みの反復練習で
奈良時代について分からなかったとしましょう。

冬休みの折り返しである1月1日から都立本番までは約50日。

中学社会の歴史には
おおよそ15の時代区分があるため、
地理と公民と併せて、社会全体で45の単元があるとすれば、
2周以上反復する時間はありません。

ましてや都立受験では
5つの科目をまんべんなく勉強しなければならない訳ですね。

つまり、
不明点の解決

忘れていたことの復習
は必ずその都度行い
絶対に後回しにしてはいけないのです。

おまけ 受験本番までの勉強時間を意識

さらに、関連するお話をもう1つ。
この時期は時折自分で残りの勉強時間を計算してみることを
おススメします。

例えば、1日6時間勉強する場合、
残り40日ならば、勉強時間は合計240時間
これを5で割ると28時間
つまり、今から28時間でそれぞれの科目を
目標点に届かせなければならない
という訳です。

これを余裕と感じるか
時間がないと感じるか
は人それぞれかとは思いますが、
まあ「余裕だ」と感じることはほとんどないでしょう。

残りおよそ丸1日の時間をどう使うか
今やっている所をいかに早く終わらせないといけないか
日々もう1時間多く勉強することはできないか
自分で色々考えるきっかけになるはずです。

受験直前期にやるべき事や大事な視点は
まだまだ沢山ありますが、
ひとまず今回は以上3点をご紹介させていただきました。
「もっと詳しく知りたい!」
「受験勉強について相談したい」
という方は、お気軽にお問合せください。

最後に、
先日実施した進路探究11月号に関連し
少し視野を広く持って受験に臨むためのお話です。

ゴール設定で意識と行動が変わる

先日、進路探究11月号を実施しました。

毎年11月にはこのテーマで実施しており、通常は
「いつまでに、何をするか」
を整理するのですが、今回の参加者は自校作成校を受験予定で
既に取り組み内容は概ね明確にしたうえで
過去問演習もたくさん回している状態だったため、
今回は1段階レベルを上げて考えてもらいました。

ありきたりな結論にはなりますが
受験は決してゴールではありません。

もちろん今の時期は
合格するためにすべてを捧げる
それで間違いはないのですが、
時々目線を受験のその先に向けることができれば
今、勉強に取り組む姿勢や意識がより変わっていきます。

またこの視点は合格後の過ごし方においても重要です。
例えば私立単願で受験する場合、
都立を受験する人に比べて1か月早く受験が終わります。
ですがそこで
「おわった~」
と勉強を放り出してしまうべきではありません。
なぜなら高校というのは
自分と同じくらいの実力の人たちが
横並びで学習をスタートします。
中学校で成績上位だった子も
勉強をサボると最初のテストで最下位近くを取ってしまう
可能性も十分あるのです。

そこで、合格後も勉強をコツコツ続けていく
モチベーションになり得るのが「先の目標」です。

今回参加してくれた受験生は都立一般を受験予定ですが、
大学に進学し、生き物について学びたいという目標を持っています。
高校受験はそのための通過点。
高校入学後のことをイメージしながら
高い目標を持って日々の勉強を頑張っています。

参加者の声

12月~2月でやることを、頭の中でしっかりイメージできた。

また先のことを考えることで、今の勉強に対して違う考えを持てた。

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