第232回「気候変動と季節区分」
第232回 探究型ワークショップ実施!
今回は『気候変動と季節区分』というテーマで探究していきました。
今回のテーマについて
当日ファシリテーターを務めさせていただいた木原です。
今回は季節区分に関するテーマということで、
「春夏秋冬」に代わる、昨今の季節を表す最も適切な表現を
考え話し合いました。
今回自分で探究してみて気づいたことは、
季節区分とは
多くの人がその時期に体験する
「あるある」
だということです。
例えば「秋」という言葉、
これは、この時期になるとスカッと晴れて、
どこまでも「開く」=「あく」
ように見えるという所からきているそうです。
また英語の「Winter」は、
「sweat」などと同じで、
ゲルマン語で「湿っている」を意味する単語を語源に持つそうです。
(ドイツなど、あのあたりは冬にはシトシト雨が降りますからね)
そう考えると、現代版の季節区分を考えるうえでも
「皆が共感する体験」
を考えるのが良いのかな?と考えました。
しかし、やはりグループトークは面白いもので
「なるほど、、その視点はなかったな~」
と思える意見を沢山だしていただきました。
個人的に最も印象に残ったのは
「未来ではどうなるか」
ということです。
例えば宇宙天気予報が地上の天気予報とは全く異なるように
宇宙に住むようになったら、
そこでの季節区分はどのようになるのだろう?
これは全く考えた事のない視点でした。
また
「春夏秋冬という言葉を使用禁止にしたら、どうなるだろう?」
(社会実験してみたい)
という疑問もふと思い浮かびました。
他にも下記のトーク内容にも載せきれないような
面白い議論を沢山行うことができました!
ご参加くださった方、本当にありがとうございます。
あなたなら、
「蒸し暑く、台風が沢山やってくるあの季節」
のことを、どのように表現しますか?
ぜひ考えてみてください!
【参考:第191回「令和版 二十四節気」】
https://stepupstudysalon.com/tankyu-2023-02-17/
グループトーク
参加者の意見・やりとり
【季節の名前はどうやって付けられたか?
〇日本
・春 張る(印象)
・夏 前に進めねぇ(体験)
・秋 空く(見えたもの)
・冬 増える(印象?)
〇英語
・Spring 湧き出てくる(印象)
・Summer SAMA(昔の言葉⇒ずっと昔から続いている)
・FALL 落ちる(見えたもの)
・autumn 収穫(体験・行事)
・Winter 湿っている(体験)
〇クメール語
・雨季/乾季 体験
・暑い/寒い 体験
・霧/露 見えたもの
だいたいその時期に何を体験するか
どんな現象が起こるか、見られるか
どんな印象があるか
(二十四節気も同じかな?)
☆ポイントは多くの人の共通認識(あるある)
季節を区分する目的
・農業の目安
・会話のツールとして、人々の話題にあがるから
(言葉があるということは、そういうこと)
・寒乾(カン)
・嫌粉(黄砂、花粉)
・ピンク
・爽
・不快、蒸
・裸、汗絞
・残夏
・短黄
・消化試合
クメール語みたいに、色んな軸で分けたら面白いか、、
人類が体験する対策できないもの、防げないもの、抗えないものを季節の名前にするということなのですね!
(技術が進歩し、大抵のことには対処できるようになったからこそ)
「裸」が季節名になったら
「服を脱いでも良い」
という常識が生まれる。
クールビズみたいに
言葉は、モラルに影響を与える。
【季節区分を考える】
>seasonとは
季節は英語で “season” です。
もともとはラテン語で「種まきの時期」を表す “satio”
>季節とは
天文学的もしくは気候学的な規則的な繰り返しによって1年を区分したもの
>世間的には…
意外と季節が少なくなってきた印象?
*24節季などを使う理由があまりない。
季節を超えていくのが人間の営みではあるかも?
>個人的には…
節目ごとに変わる(追加/削除がある)
例:小学生ならプールの季節(夏)
できないことをやる強制力に
例;夏休みの最後の一週間:そろそろ宿題の季節?
何かの慰めに
例:アイスの日(38C以上だとアイス無料)
季節を無くす
例:去年のこの時期は○○が…のみ(つまらない?)
>未来なら
電波、宇宙、惑星運動、化石?資源に関するもの
例:太陽風や黒点、フレア、地磁気、石油ストーブ使える日
(参考:https://swc.nict.go.jp/)
宿題のデッドライン⇒思考停止すれば救われる?(笑)
社会実験してみたい
「春夏秋冬」禁止
「冬なのにアイス」みたいに
固定イメージを壊そうとするのは、
コピーライトではよくある
言葉がなくなっても、表現したいという気持ちは残る
⇒言葉が再生産される?
企画者の意見
季節区分を考える
自分の考える季節区分のポイントは、”感じ方”にあると考える
四季の概念は、その時期の体験的な物を表していると考えており、人が感じたもので季節を決めている。
今の自分なりの体験で季節を考えるならば、
梅雨 夏 ほぼ夏 冬
になるのかなと思う.
日本の気候変化により、気温の上昇などがあり、
季節の感じ方も難しくなっているなと考える中でしみじみ思いました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう!
引き続き、楽しくて学びになる探究を実施してまいりますので、お楽しみに!