第218回「理解とは何か」

第218回 探究型ワークショップ実施!
今回は「理解とは何か」というテーマで探究していきました。

今回のテーマについて

ファシリテーターの木原です。

本日もご参加くださりありがとうございました!

今回のテーマであり、問いでもある、

「理解とは何か」

は、かなり難しいテーマだなと思うのですが、いかがでしょうか?

私は塾で仕事をしていて、その中で

「自分の言葉で説明できたら、理解したということやで」

という事がよくあるのですが、これに対して疑問を抱いたのが今回のテーマを扱おうと思ったきっかけでした。確かに、これは正しいと思いますが、

「では言葉にできないと理解したと言えないのか?」

と思ったのです。まあ、冷静に考えてみれば、これはこちらが相手の理解を確かめるための手段の一つなので、そこまで目くじらを立てる必要もなかったなと思うところですが…。何はともあれ「理解」とは、我々が生きるうえで常について回る、なのにそのこと自体が相当つかみどころのない、理解しがたい概念であり、永遠の探究テーマと言える部類のものなのではないかなと思います。

今回のグループトークにて

「AIは理解しているのか」
「AIは考えているのか」

という問いを参加者の方が投げてくださったのですが、私としては

「しまった~、ここにこのテーマの盛り上がりポイントがあったか、、、」

と地団太を踏む思いでした。(笑)
(この問いかけは非常に本質的で、興味深いものだなと思います)

今回のテーマは、ぜひもっと多くの人と、より深く、議論してみたいなと思うので、機会があれば第2弾も実施できればと思います!

グループトーク

参加者の意見・やりとり

「理解している」状態であれば、誰かに説明できるということです。知っているだけでは誰かに説明することはできません。これが最も大きな違いになります。
どんなことでもいいのですが、ある単語の意味は知っているけどそれを知らない人に説明できなけければ、理解している状態とはいえません。単に知っているという状態です。

「理解」とは、文字通りで考えれば、「理」(物事の論理や意味)を「解する」(わかる)ということです。

understand
「分かる、理解する」を意味する英単語としてすぐに思い浮かぶのが、“understand”。言葉の意味や人が言ったことなどを理解したり、物事や出来事が起こる経緯や理由、その重要性などを理解し、その結果、それを知識として有していることを表す言葉です。言語や言葉の意味、人の言うことを理解する、という状況で使われることが多いです。
“I don’t understand.” も
“I don’t know.” も
どちらも日本語にすれば、「分からない」と訳せる表現ですが、両者には意味の違いがあります。
“I don’t understand.” は「考えてみたが、理解できていないこと」を、“I don’t know.” は「頭の中に知識が入っていないこと(=知らないこと)」を表します。

comprehend
“comprehend” も「分かる、理解する」を意味する単語です。理解する過程や努力に重点が置かれ、フォーマルな印象を与える改まった表現です。事実や考え、道理(理屈)などを十分に理解している状態を意味しますが、一般に否定文で使われる傾向にあります。

「理解力」は “comprehension”
“comprehend” の名詞形 “comprehension” は、「理解力」という意味です。
“reading comprehension”(読解力)や
“comprehension questions”といったフレーズで、
耳にしたことがあるかもしれません。

grasp
“grasp” は、事実や考え、やり方などを理解する際に使われる表現です。もともとの意味は「ぎゅっとつかむ、しっかりと握る」ですが、比喩的に「理解する」という意味でも使うことできます。ちなみに、日本語の「把握する」という言葉も、もともとは「手でしっかりとつかむこと、握ること」を意味する言葉でしたが、比喩的に「理解する」の意味で使われるようになった言葉です。違う言語なのに「つかむ」→「理解する」という発想が同じで面白いですよね。

follow
“follow” も「分かる、理解する」という意味で使うことができ、物事の経緯や説明、意味合いなどを理解する際に用いることができます。日本語でも、「議論や説明についていく」というように、“follow” のもともとの意味「~についていく」をイメージすると分かりやすいかもしれません。一般に否定の形で使われることが多く、肯定の形で使われる場合も完璧には理解できていなかったり、一部理解できていない部分があるといった文脈で使われることが多い動詞です。

see
“see” も「分かる、理解する」という意味で使うことができ、今起こっていることや、相手の言っていること、物事がどのように機能しているかなどを理解する、という状況で使われる表現です。なお、進行形で使われることはありません。もともとは「自然に目に入る」という意味を持つ “see” なので、目的語が具体的なもの(目に見えるものや触れられるものなど)の場合は、文字どおりの「見える」の意味で解釈されます。これに対し、比喩的に「分かる、理解する」という意味で使われる場合、一般に “point” や “reason” といった抽象的な言葉が目的語になるのがポイントです。

get
“get” が「分かる、理解する」の意味で使われる場合、親しい間柄などで使われるくだけた表現になります。相手が伝えようとしていることや、相手が説明しようとしている状況、ジョークなどを理解する際に使われる表現です。“I get it.”(分かったよ。)は決まり文句で、相手から説明などを受けた際に、その内容を理解したことを表すフレーズです。

ある物事を感じて知ること
察知する
知覚する
感知する
感じる
知る
・・・

物事の意味を知ること
解する
分かる
理解する
理解し同意する

腑に落ちる
納得する
得心する
理解する
飲み込む

物事についての情報を得て、それを認めること
了解する
諒解する
承知する
納得する
・・・

人の気持ちに寄り添って考えること
理解を示す
斟酌する
理解する
共鳴する
同意する
汲み取る
・・・

事案として知り、考慮できる状態にしておくさま
知っておく
押さえておく
耳に挟む
頭の片隅に入れておく
考慮する
頭に入れる

いつでも思い出したり実行したりできる状態になるさま
覚える
記憶する
頭に入れる
インプットする
暗記する
頭に叩き込む
理解する

理解している
誰が判断するかという問題
理解しているかどうかは、
第三者の視点じゃないと言えないのではないか
客観的に理解していると思われる人が
客観的に見て適切な言葉で説明できる
(第三者の基準に合致すると、理解したと判断できる)
一般的に

しかし一方で、
言葉として言えない人の「理解」は?
言葉よりも行動
(伝える、ことも行動の一つ)
ルールを守る、など
期待されたことができるかどうか
が、周りから「理解している」と判断される

「AI」は理解できるかどうか

AIは理解している
と表現されることは多い

理解すればいいのか
皆が学舎になればいいのか?

大事なことは世の中のためにアクションをすること

AIは、考えているんですか?

AIは考えてはいないのでは?
 ↓
機械的に処理しているだけ

人間とAIの「理解」「考える」はどう違う?
⇒シナプスを自分で繋げられるかどうか?

理解する、とは人の気持ちがわかること。
勉強ができる=人間的にもいい人

「こうして欲しいんだけどわかった?」
「この公式の意味を理解しなさい」

理解力のない人は勉強ができない、人の気持ちが想像できない。
悪戯は低学歴に多い。

頭だけではない、身体でわかることも理解するという。
腑に落ちるという諺通り、理解できた時身体にも何かしらの反応があるはず。
死後の世界は死んでみないとわからない。

人の気持ちが理解できる

は、重要だ視点だなと思います。
人の気持ちを理解したうえで、悪意を持ってアクションを起こすやからもいるけどね。

理解できた、ときってどんなときか

とにかく、分かった、と思えたとき
どのように分かったのか、説明(言語化、図式化、体現化など)できた、あるいは説明しようと思えたとき
わかったことをもとに自ら新たな課題を見いだせたとき
他の人に分かったと思えることを伝えたくなったとき

AIは少なくとも、与えられた情報をきちんと処理するという意味において正しく、分かっていると判断して良いのではないだろうか

与えられた情報が不十分だから、AIが不十分

世間で言う「わかる」「わからない」は、自分の頭の中で「わかった」と判断して終了してしまっているのではないか

大事なことは、
「わかった」「わかっていない」
ではなく、どうするかが大事

ぶぶ漬けでもどうどす?

1、「理解」ってどんな状態?(ストレートな問い)
自分が知っている(と思っている)ことで、対象を翻訳すること。
*結局のところ、分かっているもの、感じているものの組み合わせで新しいものを捉えている

2、自分が理解していると言えることって何?
(実体験に基づいて考える問い)
特にない。
*インポスター症候群は才気の現れかも?
何がどこまでわかってないか?を分かることで、人は知らないことが沢山あることをより深く知っていくのかと。

企画者の意見

〇論理の話
「Aができたから理解していると言える」

「理解しているとはAができることだ」
は同じではない。

〇理解できたかどうか確かめる方法

1、自分の言葉で説明できる

(反論)
言葉を知らない赤ちゃんは何も理解しないか
犬や猫、鳥などは何も理解しないか?

(事例)ヨウムのアレックス
https://petnokoe.com/alex-1259.html

https://www.hayakawabooks.com/n/n4bc9fecf250b

2、理解している(と思われる人)が言動を予測できる
(あるいは妥当な言動をする)

3、目的を達成できると判断
「理解」というものは実は存在しない
この感じでいけば目的達成できるから、説明はこれでOK

ーーーー
理解しているってどんな状態?

・先を予測できる、考えられる⇒理由や目的など外すべからざる重要なポイントを押さえている
・腑に落ちる(それが=完璧な理解かどうかは分からない、が、日常生活を送る上ではそれは問題ない)

自己体験
・兵法書は読むたびに見え方が変わる

(前提)
世の中のあらゆることは、理解するのには人間の脳の容量は小さすぎる
アカシックレコードではないが、完璧な理解には無限の容量が必要だから無理
だからこそ、一部分を切り取って「理解」する

ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう!

引き続き、楽しくて学びになる探究を実施してまいりますので、お楽しみに!