第208回「良い教師とはどのような教師?」
第208回 探究型ワークショップ実施!
今回は「良い教師とはどのようなようしか?ー学習意欲の視点から考えるー」というテーマで探究していきました。
今回のテーマについて
今回「良い教師とはー学習意欲の視点から考える」というテーマで話題提供させていただきました、いちです。
私からは教育手法が有効足り得るのは学習者の経験を豊かにした時に限ることを、これまでの教授学習研究を踏まえてお話しました。したがって、教師は学習者の経験に働きかけるような多様な教育方法を駆使しているのであり、逆に言えば、万能な教育手法は存在しないとも言えます。
また教育は「誰にとっての良さなのか」と言う視点で評価軸がひっくり返る領域です。 したがって良い教師とは?という問いは、結論を出すのが非常に難しいテーマです。
そこで今回は、今回は参加者それぞれの学習経験を踏まえながら「良い教師の要素」について意見交換をしました。 その中では「誠実」、「寛容」、「理解」、「生き様」、「差別(平等)」、「清潔」といったキーワードが出ました。 それぞれ一つ一つに参加者のエピソードが付随していて、非常に納得感がありました。 一方で、そのすべてを「学校教員」に求めるのは、教員をいち労働者としてみれば極めて酷な話です。 そういう意味では「最低限清潔感を期待する」、なんて考え方もアリかもしれないと思いました。(あなたの担任の先生が清潔以上の何かを持ち合わせていればラッキー)
皆様の意見を聞いて私も考えが深まりました。 どうもありがとうございました!
グループトーク
参加者の意見・やりとり
”教師について”研究…気になる…!
「誰にとって」よい先生か?ということですね!
楽な先生は(短期的に)生徒にとって”良い”先生ですもんね!
(でも、悪い教育方針かも…?)
松陰先生は、尊敬する素晴らしい教育者の一人ですが、、彼にはもっと長生きして弟子たちをちゃんと導かなければならなかった、という批判を聴いたことがあります。
何を持って「良い」とするか、も、考えどころですね。
この話「教師”単独”のパワーがどんなもんじゃい」という話なのですね
(=教師単独でのパワーより、生徒さんの取り組みがすげえデカい)
最近追試が行われている「一万時間の法則」みたいな話ですね。
*結局のところ時間でなく、中身でしょ、的な反論が追試で出ている
*なるほど、元となる研究論文じたいが”甘い”(実際何が起こっているのを探るのは難しいのに統合して集計している)のみあるのですな
ふむふむ、ティーチングが悪くても(よっぱらいの先生でも)ラーニングがよい(国語の点数あげてえ!)と伸びる例もありますもんね。
アウトカム(結果)が単純学力なのも疑問ですな。
経営学だとよくあるんですが、過去の学説が全然現実と違うというのがままあります。どんな説も100%信じるのではなく「学説のひとつ」として見るのが安全かもって思ってます。
*論理構造の把握、みたいな”記憶以外”の能力のはかり方も怪しそう…
「スタンフォードっ監獄実験」なども否定されちゃいましたしね。
科学的な、は”超限定環境で不正無しなら”まあ、そんな傾向あるよね。くらいなのかもですな。
*だって、人間の心って難しいですもんね
学校で学んだことを一切忘れてしまった時に、なお残っているもの、それこそ教育だ。
ーアインシュタイン
そんなことってありますよね!
みえないバーテンがよいバーデンダー的な。
アイスブレイク
小学校:おばちゃん(きらいだったので名前しらん)
中学校:よく覚えてない。K先生(理科)は楽しかった。
高校:A先生(英語)とよっぱらいの国語の先生(どちらも腕はよい)
印象に残っている先生:酔っ払いの国語の先生
*文章構造と出題意図というメタ思考を教えてくれたから。
高2、高3の時の U先生
一番、よく見てもらったな~と思う
小1,小2でK先生に「字を綺麗に書きなさい」と言われ、
小5、小6でもK先生に「字を綺麗に書きなさい」と言われました。
直ってないw
そして木原さんは今でも字がきたないという。。。
中学校:W先生(理科)
とっても真面目な先生で、この先生が担任だから私はこのクラスに振り分けられたんだなあと思ってました
N先生
怒ると怖い女性の先生。
自分も怒られて放課後説教された。
K先生
1人1台のPC時代を予見
O先生
この前=半年前の先生
S先生
大学受験のときに夜遅くまで勉強に付き合ってくれた
「小」
1−4 H先生
2−1 I先生
3−2、4−3、5ー2 M先生
6−2 S先生
「中」
1ーA,2ーA F先生
3ーC K先生(途中S先生)
「高」
1ーC S先生
2ーA、3ーA S先生
全部覚えてるの凄い…
グループトーク
自分のことを理解してくれた
と、感じられるのが大事
理解してくれているからこそ、厳しいことを言ってくれて、そしてそれが刺さる。それがないと、単に「なんだこいつ、偉そうに、、」になってしまう。
信念
子どもの発達の状態を見抜ける見識がある
⇒からこそ、正しく理解してあげられる
磔にされちゃうんですよね学習意欲⇔先生が生徒のことを学びたいという意欲
実はお互い学んでいる
先生が「人間」である理由
いろいろいるのがいいのかも・・・
誠実な人
価値観を押し付けない人
一緒に考えられる人
※最近実施した道徳の授業の板書を共有していただきました。
「ゴキブリは殺しても良い?」
⇒生徒たちが色々な視点で意見を出し合っている様子が伝わってきました。
まさかのG話ー!
どうやって子供たちの意見を引き出したのでしょう?
「君たちのお父さん・お母さんもゴキブリ殺すでしょう?」
と、問いかけました。
何がいいか常に考え続ける人
中国では養殖してますしねー!
(絶対ヤダ…)
Gを始末するかどうか問題を道徳で扱うってすごいなあ
おもしろそう
いいですね~
きれいごとを言わない
公園で散歩してるだけで蟻を踏み殺してる可能性を考えれば、無益な殺生は完全に控えることはできないと思います。
たしかに…
Gを同じ人間だと思って接すればいい、という意見すごいな。笑
子どもの意見を聞きたいと思ってこの道徳の授業をしたのでしょうか?
先生って、似非主体性が好き
⇒それって本当に主体性?
良い先生
生徒との精神的な距離が近すぎない
(友人のように接する)
特定の世界でしか通じない雰囲気にしない
(サッカー部の顧問がサッカー部のノリで生徒と接する)
生徒の一部を差別、特別扱いをしない
(女子だけに甘い、特定の生徒だけ良くも悪くも接する態度を変える)
授業中の不良生徒の授業に関する真面目な質問をスルーせず拾う
生徒に舐められないこと(不良生徒の授業妨害を上手にかわすテクニックが必要)。
平等は無理ですね。公平に接するようには心がけていますが。。。
自分が生徒でも平等は求めていたかなぁ。。
↑QU,これですなー!
QU,初任の時は崩壊型でしたが、今は満足型です。でも本当に崩壊のクラスより今のクラスの方がいいかなぁ。。なんかみんなが満足群だと。。
そうそう、満足なのがいいとは限らないですよね!
フラストレーションがモチベーションにつながることもありますし、満足が怠惰になることもありますし。。。
【大日方さん】
寛容であること
先生の「こだわり」「気になる点」
一貫して強い信念を持っている
けど、それを人に見せない、求めない(押し付けない?)
その先生が求める優等生にならなくてもOKな安心感
常に自分の信念を問い続ける人がいいですね。
価値観を押し付けない人は普通に人としてリスペクトできますよね
↑まさにー!
「魚くんの授業は面白そう」
魚の知識が豊富で
ガンガン説明するけど
聞き手に何かを押し付けたりはしない
聞き手に楽しんでもらいたい
魚のことを好きになってほしい
という想いがあって、どうすれば聞き手が楽しめるかどうか創意工夫をしているように思う。だから、聞き手のことをよく考えているのではなかろうか。
共感的要素があるかどうか?
映像授業も同様だと思う
目の前に生徒はいないけど、自身の経験から一生懸命聞き手のことを考え授業を創意工夫しているはず
ラジオの手法ですな
明るさ、一生懸命さ 生徒に大きな期待を寄せている 信頼? 親しみやすく、生徒とのあいだに人間同士の繋がりを築いている 寛容? 独りよがりでなく、生徒の意見にも耳を傾ける 傾聴?
ほどほどさ、中庸?
これからの社会と教員に求められる資質能力(文科省)☟
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1346376.htm
ふしぎだと思うこと これが科学の芽です よく観察してたしかめ そして考えること これが科学の茎です そうして最後になぞがとける これが科学の花です
【朝永振一郎】
元東京教育大学(現・筑波大学)学長 ノーベル物理学賞受賞者
中庸、いいですね
そこから問いを作れる授業が良いですね
世界史の考え方
https://www.shogakukan.co.jp/books/09837360
「わかり方」の探究 佐伯 胖
【よい教師って?】
>ポイント(何故複雑に見えるか?):
視点ー”誰から見て”よい先生?
時系列ーあとから思えば…/反面教師
計測ー成果をどう評価するか?(うまくできましたか?と聞く危うさ)
価値変化ー禍福は流転する(痛い目みてよかった/悪かった)
>とはいえ、よい先生を定義するとすれば?
1,国家(社会構成員育成)から見て:
社会に適合する考え方と常識(知識含む)
*基本的に先生は社会維持機構のしもべ(教育基本法はアウトローには適応されてない)↓
なので、生徒にそれを”まるで自分が望んだかのように効率的に”吸収させられるモノ
具体的には「「啓蒙・インセンティブ・強制・ナッジ」(介入のはしご)を使うモノ
(洗脳?教化?どっちでもいいよね)
2,リーダー育成視点から見て:
上記1,だと皆羊になってしまう。
よって、そうではない(ゾミアとか)を教えるモノ
3,人間としては:
生きざまを見せる者(それは人間だから)
「教科書に嘘が書いてある」とはだれも思わない、ということですか。
こういう議論がなされなけれないけないくらい、良い先生は少ない
(自分の先生を思い返してみても)
先生や親も人間だから、間違うし、、
完璧は求められないけど、しいていうなら「清潔感」がある人
・見た目だけじゃない
学校や習い事で師範と呼べる人に出会えたら理想的
ファシリテーターの意見
〇自分にとっての「よい先生」
・U先生
(高2,高3の時の数学担当・担任)
とある友人に
「U先生、授業中しょっちゅうお前の方見て喋ってるよな」
と言われたことがある。言われてみれば、確かに…。大学受験の際に、多分、真摯に関わってくださったと思う。相談した時も、一生懸命考えてくれていた。それがモチベーションの一端になっていたかもしれない。
⇒自分のことを一生懸命考えてくれる人
・B先生
(中3の時の塾の先生)
自分は結構変人だったと思うけど、楽しく授業をしてくれた。第一志望に落ちた時「力になれなくてごめんね」と言ってくれたのが凄く印象的で、え、なんで、この人が謝るんだろう、、ってめっちゃ困惑した記憶がある。
今この仕事をしていて、両方とも当たり前な対応ではあると思う。けど、その子のことを思ってくれている人なんだなと思った。
・H君
(以前、MWCに関わってくれていた若者。今はどこかで学校の先生をしているはず)
塾で1年目の時、受験落ちたドッキリを仕掛けられ、ガチ泣きしていた。「ああ、いい先生だなと思った。」
・I先生(人生の師であるとともに、親みたいな存在)
本当の愛を、生き方と姿勢で教えてくれた。(今でも)皆を導くところを自らが実践し、誰にもたどり着けない域に達している。この人みたいになればいいんだな、と、生きるモチベーションを与えてくれる。今は病気で倒れられ、言葉も発せられなくなってしまっているが、今なおそれは変わらない。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう!
次回は
6月23日(金)19:30~21:00
第209回「萌えの感情」を予定しています。
引き続き、楽しくて学びになる探究を実施してまいりますので、お楽しみに!