第181回「量子もつれと量子コンピュータ」
今回は「量子もつれと量子コンピュータ」というテーマで探究していきました。
今回の問い
「量子もつれ」研究は将来どのように応用されていくだろう。また量子コンピュータの発展はどのような未来をもたらすだろうか。
今回のテーマについて
ファシリテーターの木原です。
今回は「量子もつれ」とよばれる、今年のノーベル物理学賞ので話題になった事象をテーマとしてチョイスしてみました。
(自分が学生時代に物理学を専攻していたため、ついそういった方面にばかりアンテナが反応してしまいがちです…(苦笑)。他の分野に詳しい方、ネタ提供・解説・ファシリ参加、お待ちしております!)
「量子もつれ」は、「量子」と呼ばれる超ミクロな世界の粒子やエネルギーが従う「量子力学」によって記述される現象で、アインシュタインの頃から議論がなされています。今回ノーベル賞を受賞した3人の物理学者はそれが理論上だけでなく実在することを示そうと研究・実験をしてきた方々です。
「量子もつれ」によって「量子テレポーテーション」というカッコイイ現象が引き起こされたり、次世代を切り開くテクノロジーの一つである量子コンピュータにも応用されるため、今回注目されたこの基礎研究は、人類の未来を大きく変えていくものなのかもしれません。
今回は単なる物理の講義にはならないよう、「中学生でもわかる」をコンセプトとして探究をデザインしてみました。こんな研究がなされているんだな‘~ということを理解したうえで、この研究が将来どのように活かされていくか、この研究によってどんな未来がもたらされるか、を皆で考えていきました。
グループトーク
今回は、
この研究がどんな未来をもたらすか
といった視点で考えていきましたが、議論の中で
将来的にどんな研究がなされるか?
という視点も出てきたのが面白いと感じました。今はまだ超科学・難しいテーマだけど将来的に解明されるものもあるかもしれない、そんな視点で考えると、既存の科学や行われている研究がグンと面白くなるのだと思います。
ちなみに量子力学には実際に超常的でよくわからない部分もあり、しかし一方でちゃんと成立している(と思われる)ものなので、ワクワクしますね!
参加者の意見・やりとり
人工知能の方式だ!
クリックケミストリー(今回ノーベル賞)もすごいですよねー!
すごい時代になってきてるんですね……
特に今年は大きいもの(未来すごそう…)が多かったかと思いますー!
ウチのPC、”りょうしもつれ”を”漁師もつれ”と変換していたり…(確かに網とか使うけれども!)
〇放射化学
目に見えないけど、当たっているもの
〇音楽療法
〇ドッペルゲンガー
音楽をサプリ化する
虫の知らせ
将来的に
「こんな研究はなされるかも」
という議論も面白いですね!
- 応用
* パスワード突破
* 暗号の解析が早くなって、サマーウォーズみたいに大混乱になったり - 創作
* AIお絵描きなどがもっと発展して、「科学的に」面白い作品が完成 - 未来
* シミュレーション
* 「適性」を見抜いて、その人が一番活躍できる未来をデザイン
* PSYCHO-PASS、シビュラシステム
* AI
* ヒトが地道な作業をしなくてもいい
*「効率」が良くなる
* 紆余曲折ストーリーが無くなる
* 並行世界の発見?
* 領地、支配権争い
* 不要なもの(核のゴミなど)を別の世界に投棄
パスワードは全然あると思いますね~
シビュラシステム
便利だけど幸せになっていない
という事例が作中に。
⇒適職だけど稼げない、という事例
ごみを別次元に放り出してしまう⇒星新一作品
原爆が初めて発明された時の科学者が、どんな監禁状態になっているか
ガチの研究は国家機密扱いになり、研究者たちも軟禁状態?
【量子もつれの研究でどうなる?】
>量子もつれの研究は量子の研究
大統一理論
宇宙、時空についての理解
タイムマシン的なものや生命の起源とかも…?
>量子コンピューターの世界は力技の世界
スパコンがお茶の間に
超エコでクールダウン世界に(量子PCは省電力、だけど…)
力技を簡単にできる(シミュレーションお手軽化、ディープラーニング)
全てのゲームはAIが強い世界に(だからこそ、人間の良さが映えるとか)
言語翻訳能力も不要クラス(でも、だからこそ自国/異文化研究が進む)
人間らしいAIも沢山できる(カウンセラーとかリアル友達などとの付き合い方も変わる…?)
皆我慢できない世界に。
新しい暗号(もしくは暗号がなくても機能する世界)
光が遅く感じる”常識”の到来(格闘ゲームとか)
トライ&エラーが普通になる。
複数プレイ(生活)が普通にある?(人間のベースアップがいる…?)
透明人間(攻殻機動隊)とかも。
何が本当か、を議論しない世界。
著作権も変わる?
単純作業は娯楽に
守る世界から、守らなくてもいい世界へ
翻訳、言語の壁がなくなれば、いろんな研究が一気に進む
世界の情報量が指数関数的に(?)増えていく
⇒ドラクエⅠは画像1枚分の容量だった…
⇒グラハム数
こういった話を、いろんな人に興味を持ってもらうにはどうすれば良いのだろう、、と思う。
サイエンスコミュニケーター
何かも参考になるかも。
https://rikeinavi.com/guide/cat_occupations_o09/
ファシリテーターの意見
「量子もつれ」は将来どう応用される?
現状のハードルはいつか解決されると信じるなら、、
・長距離通信
地球と火星、遠い星でもラグやノイズなく通信可能に。
テレポーテーションが1回限りでランダムではなく、ちゃんと制御できるようになればめっちゃ夢が広がる。
・治療
もし「量子もつれ」を外部から人工的に作れるようになれば、そして観測結果を制御できるようになれば、体内の悪い部分を外部の量子を観測することで直せるようになるかもしれない。
・アンチエイジング
妄想だが、、もし遺伝子と体内の各細胞が量子もつれの関係にあったとしたら、元の遺伝子情報さえあれば体を治療する、あるいは若返らせることもできるかもいしれない
「量子コンピュータ」によってどんな未来がもたらされるか?
・有名な話
創薬研究のスピードアップ。短時間で薬を作れるように。
・天気予報の完成
「とあるシリーズ」に出てくる「ツリーダイアグラム」を作れてしまう。大気の動きを完全にシミュレーションし、天気予報の精度は100%に。
関連して、、
世界中の人の動きや考えることなど、すべて把握することができるのかも。政治判断はすべて量子コンピュータに任せる。今、このタイミングでこれをしたら、こうなる、ということもわかるようになる?
・真実の解明&似非科学の消滅
すべてシミュレートしてしまえばいいので真実のみが明らかに。
関連して、宗教の消滅。あるいは神様の正体が明らかに。
・既存のセキュリティシステムの崩壊&改革
グループトークにも出てきた通り。量子暗号技術
今あるブロックチェーンはいったんすべて意味をなさなくなる
・やがては一人一台量子コンピュータ
コンピュータはやがて手のひらサイズに。個人が手にできる量子コンピュータには、やはりビット数の制限などがあるのかな?
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう。
次回は
12月2日(金)19:30~21:00
第182回「さよなら2022年「今年の漢字」をガチ予想」を予定しています。
引き続き、楽しくて学びになる探究を実施してまいりますので、お楽しみに!