第177回「増え方・変わり方」

第177回 探究型ワークショップ実施!
テーマは「増え方・変わり方」です!

今回の問い

身の回りの様々な変化について、どのような「変化のパターン」があるだろう?具体的な事例を挙げつつ考えてみよう。

今回のテーマについて

ファシリテーターの木原です。

今回は久々に理数系のネタをと思い、数学のグラフに着目した探究を実施してみました。元々私は学生時代に物理学を専攻しており、グラフ(関数)を通じて物事の変化や振る舞いを表現することをしていました。社会人になってからも、このMWCなど学びの機会を通じて、世の中で起きている様々な現象とそこに伴う「変化」に触れてきたため、今回はテーマとしていけるかな?と考えられたのだと思います。

初めは色々な現象を数式で表現することができ、また一例として物理学で出てくる変化には「よくあるパターン」が何種類かあることから、世の中の現象・変化にも「いくつかのパターン」があるのではと考えました。その後制作中に運営メンバーの方から「統計」とは何か、何のためにあるのか、といった視点にも触れてみたら良いのでは?というアドバイスをいただいたことで、数式で一意的に決まるもの以外のことにも視野を広げて考える探究を作ることができました。

ちなみにこの「統計」というっものについて、改めて調べてみると中々面白いものでした。サンプル1つ1つはここの振る舞いをする1つのデータにすぎないのに、「平均」を取ることで規則性が見えてくるものです。調べる中で見つけた、「1つ1つは神の意志だけど、平均などという実在しない量には何かしらの規則性・秩序がある」という表現がとても印象に残っています。今まであまり意識したことはありませんでしたが、「平均」というのは人類にとってとても重要な発明・発見だったのだなと思います。

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グループトーク

今回もたくさんの興味深い意見を出していただきました。

「春の15℃は暖かく、秋の15℃は涼しい」という意見、確かに~~~と思いました!暦や満ち欠けなど、繰り返される周期的なものもたくさんありましたね。また「面白いストーリーにはパターンがある」というのも大変興味深かったです。

個人的に印象的だったのは、参加してくれた中1の子が「円安」という意見を出してくれたことです。まさにタイムリーなネタ、最近別のワークショップで学んだことを思い出して書いてくれたのかなと思うのですが、そこも含めて、流石です。考えてみれば、目の前のお札やコインの(相対的な)価値が日々変化しているって、中々怖いことだなと改めて思いました。例えば今日100円で買えていたリンゴが明日には100円では買えなくなるかもしれない。考える事例によっては「大げさな例えかもしれないが」という枕詞がついたりしますが、意外とそうとも言い切れないのがちょうど今のご時世なのかもしれません。

 

参加者の意見・やりとり

インプット・セッション中のやり取り

そうならないもの(発散)とかもありますな、、、

(あえてあまのじゃくに。。。)

途中から山になるの面白いですね

福利は悪魔の発明。。。!

お米を報酬でもらった人の話とかですね、

(毎日倍々でくれといった話)

作るー売れるーもっと作るーあまるー安くなる、とかですね

会社の寿命とかですねーコンドラチェフ

もうITかで二極化してるという説も。

平均によって、「どこまでありか」を判断できるようになったわけですな。

統計がないと、カレーの味を図るのにカレー全部食べないといけない(大変)ですもんね

スパコンがすごいーー天気予報

*ごり押しだもんなあ。。。>天気予報

地球の中がわからん+サンプル少ないのが致命的。。。>研究者の方に期待!

女心と秋の空より変わりやすいのが現代の天気予報

グループトーク

円安

恐ろしや。。。

これからパソコンとかゲーム機とかも高くなる。。。!?

ついさっき、151円になりましたね…

固定相場制なら 関係ないんだけどね

戦後日本も1973年まで

トラブルが起きる前は対策は何もされないし提案しても却下されるが
トラブルが発生したら迅速に対策が実施される

お土産は観光地ごとに異なるのではなく、どこであっても系統が似てくる
(白い恋人、まんじゅう、バターサンドなど)

秋の19℃と春の19℃では、道行く人の服装が異なる
(秋だと夏の服装に近い薄着気味、春だとダウンを脱いだ冬の服装という感じ)

モノをいつまでも長く大切にしたいという気持ちは
そのモノを購入した金額に比例する(希少品除く)

春は暖かく、秋は寒いですよね~

「正常性(現状維持)バイアス)ですね

春は暖かく、秋は寒いですよね~

1秒、1分、1時間、一日、一月、一年
1m


音階
周期表
生物時計
月の満ち欠け
満潮干潮

正確さと不正確さの狭間で
1年(太陽年)=365.2422日(太陽日)

はらどけいとか?

ジャネーの法則

旅行は帰りの方が早く帰れるように感じる?

>>新しい刺激の量

変化のパターン


1.主人公は何かを求めて旅にでる

2.様々な困難・試練に見舞われる

3.新たな出会いにより助言、助力を得る

4.主人公はようやく何かを得る魅力がなぜ低いのか?

5.最終的に本当に手に入れたものは別のものだった 等々

起承転結

実はこいつがラスボスだった!みたいなのもありそう

5,は帰還だったり

*本質的には同じ

魔人のランプですねw

金の斧的なw

ミツバチマーヤ

神話とかって、どうなんでしょう。
どれかのパターンに当てはまるのですかね??

勧善懲悪

機種流離譚

異種婚姻譚

異常誕生譚

継子いじめ譚

フェイトだw

ギルガメッシュ叙事詩

人類の能力と頭脳とかの推移は、面白い変化ですよね。

「指数関数的に増大する」とはどんなことか?

(例)1分ごとに数が2倍に増える細菌がいるとして、この細菌を最初、10匹用意。さて、10分後には何匹になっているか?

最初10匹いた細菌は、1分後には2倍に増えて、20匹になります。2分後にはさらに2倍になって、40匹になります。3分後にはさらにさらに2倍になって、80匹です。

10分後の数=10×2×2×2×2×2×2×2×2×2=5120匹

そして、まさにこの倍々に増える現象こそが、「指数関数的に増大する現象」と呼ばれるもの。

要するに、指数関数的な現象とは「現在の数が、最初の数のa倍、a倍、a倍……した数になるような現象」のこと。

新型コロナウイルスの感染者も指数関数的に増えると言われ、1人の感染者が新たに感染させる平均の人数を「基本再生産数」と呼ばれる。この値が大きければ大きいほど、感染者の増え方が大きくなる。

新聞を折りまくったら月に行く話とかもありますよね。

指数関数的に伸び続けるものって、実は思いつきませんでした…

世界は有限ってことなのですかね~

サラ金の金利とか。。。

曽呂利新左衛門と秀吉の話もね

パンデミックは100年周期⇒なぜ?

男女比は1:1ではない

考えてみると、蜂とかありとか、極端ですよね

免疫学的にも男は弱い

【どんな変化のパターンがある?】

表:
エントロピー増大
(部屋は汚くなっていく)

裏:
星の運行
(それでも世界は引き合っている)
*強い力、弱い力、電磁気力および重力

経済:
螺旋モデル(変わらないようで変わる)


人間:
>文化的雪かき
誰かがそういう記事を書かなくてはならない。ごみ集めとか雪かきと同じことだ。だれかがやらなくてはならないのだ。好むと好まざるとにかかわらず。
『ダンス・ダンス・ダンス』より


>死の五段階仮説
1.否認と孤立
2.怒り
3.取り引き
4.抑うつ
5.受容

>変容段階モデル
無関心ー関心ー準備ー実行ー維持…

>ガンジー
はじめに彼等は無視し、次に笑い、そして挑みかかるだろう。そうしてわれわれは勝つのだ。

ファシリテーターの意見

〇感染症のモデル
http://club.informatix.co.jp/?p=140
(ロジスティックに似てるけどちょっち違うらしい)

〇指数関数的なもの
「指数関数的に変化する」ことって色々あるけれど、
ずっと伸び続けるものって実はあまり思いつかない。
それはきっと、エネルギーも何もかも、無限ではないからだろう。
転じて、1パターンの変化をし続けるものの方が少ないかもしれない。
社会現象の多くにはステージやフェーズがあり、それぞれに変化のパターンがある気がする。

例)プロダクトサイクル(PLC)
「導入期」「成長期」・・・指数関数?
「成熟期」「減衰期」・・・ピーク後、直掩的?
あるいは急落する際は指数関数 or 双曲線的?

〇臨界点を超えると一気に変化するもの
・過冷却水
ゆっくり、ゆっくり冷やしていき、外部からの刺激があったりある点を超えると一気に氷になる。
企業の不祥事が出まくるのも同様?
⇒あるとき突然起こるのではなく、内部的にどんどん進行している
易経「坤為地」曰く、「霜を踏みて堅氷至る」も、こういうことを言うのだろう

※「兆し」もそうだし、基本的に易の思想はこういう臨界点的な変化がある気がする
冬至の後冬の寒さのピークに向かっていくが、
実は春~夏の気がたまり始めている
梅や桜も徐々に階下の準備をはじめ、ある瞬間に一気に咲き乱れる

まだ変化のパターンが分からないもの
⇒実は分かっているかもしれないが…

・地震予知
・日本サッカーの成長
絶対的な強さと相対的な強さ、それぞれ分けて探究するのが面白いかも

「諸行無常」「盛者必衰」等々、

物事が移ろっていくことを表す言葉は昔から沢山あります。個人的に印象的なのは「易経」です。中国で発症し東洋で広く親しまれるこの書物の英語名は「The book of change」。まさに、この世界は常に変化し続けること、その変化の理を教えてくれる哲学だなと思います。

また日常レベルでも、人もモノも変わっていくのだということを念頭に置いておくだけで楽になることってたくさんあると思います。昔上司からよく教わったのは「人には良い時も悪い時もある」ということ。一度悪かったからずっと悪いと考えるのではなく、今度は良くなる、どうすれば良くなるか、など、変わっていけることを前提に考えられたら、建設的だなと思います。

ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう。

次回は
10月28日(金)19:30~21:00
第178回「ユーモアとは何か」を予定しています。
引き続き、楽しくて学びになる探究を実施してまいりますので、お楽しみに!