第174回「家族とは何か」
テーマは「家族とは何か」です!
今回の問い
あなたにとって「家族」と言えるのはどんな人?どんな存在?
具体的に挙げても、定義してもOKです!
今回のテーマについて
ファシリテーターの木原です。
今回は第97回に続き「家族」を探究するワーク第2弾を実施しました。
前回は「家族とはどんな存在か?」ということで家族という共同体の役割や機能について考えていきましたが、今回は
自分にとって「家族」と呼べるのはどんな存在か?
ということで“自分から見た”視点で考える形にしてみました。インプットセッションにも入れましたが、
「同居しているペット」と「遠方のおじいちゃん・おばあちゃん」
のどちらをがより自分にとって家族と思えるか?というアンケート調査があり、日本人を対象に実施した結果、わずかにペットを家族と思えるという回答の方が多かったのだとか、、
確かこれは中国人の研究者が実施したアンケートだったのですが、この結果に彼らは大層驚いたそうです。
ちなみに私自身も、どちらかと聞かれれば「ペット」かなと思います。ペットの方がより身近だから、なのかもしれません。祖父母も自分にとって大事な(大事にすべき)存在ではありますが、「家族」かと言われると、ちょっと違うかも、、という気がします。一方で、私は三国志など中国の歴史が好きなので、中国人が家系を大事にする感覚(つまり今回の結果に驚く心理)もわかる気がします。
「家族」という共同体については社会学などの分野で色々研究されており、これが国や文化によって様々だということも容易に想像がつきます。そして今回のように、「自分にとって、誰が、どんな存在なのか」という視点もまた面白く、これは国や文化による違いはもちろん、より一層“人によって違う”ものなのではないかなと思うのです。
まさに「決まった正解のない問い」ですね!
<<参考:第97回>>
https://stepupstudysalon.com/tankyu-2021-01-29/
グループトーク
今回は、3人+ファシリテーターという少人数でしたが、高校生の方をはじめ、皆さん鋭く積極的に意見を出してくださったおかげで、大変盛り上がりのある会になりました。
個人的には、
「こういうテーマでの議論では、つい感情で考えてしまいがちなので」
ということで、あえて感情を一切抜きにして意見を出してくださった方が、トークにスパイスを加えてくださっていたと感じます。
また議論する中で、さらに色々な問いが生じてきて、そこからまた話が広がる、というのが非常に意義あることだと感じました。
〇家族とは「深い関係を築ける」存在ではないか?
⇒「深い関係」とはどんな関係だろう?
〇「家族」と「親友」の違いとは?
⇒「親友」は「家族」になれるか?
⇒「親友」を「家族」と思うことはできるか?
など、今後もさらに色々な問いで「家族」についての探究を実施できそうな気がします!
参加者の意見・やりとり
インプット・セッション
昭和の大家族…!
(もうサザエさんは昭和文化資料になっているもんなあ。。。
(黒電話とスマホが両立する世界)
どのくらい「親」と「等」じか?って面白い単語ですね >>親等
ジョジョだ…!
全部が親族でしょ!
(たぶん)
ジョジョは血族の物語。。。!
6親等だから
隠し子の子(+吸血鬼)もあるのですねw
『心理距離』が家族だ、という説ですね。。。
桃園の誓い、みたいに義兄弟もそうですよね
>物理でない家族関係
「スパイファミリー」(アニメ)は家族愛あるよなあ。。。(二期楽しみ!)
血縁じゃなく、会いたい人と家族になっているコミュニティ。ですね>CIFT
インプット・セッション
家族とは何か
いろいろ話しても受け入れてくれる人? 弱音を吐ける存在?
今後、小さなコミュニティーはある種の家族形態になるのかもしれない。相互補助等
少子部蜾蠃(ちいさこべのすがる)これもある家族形態をなしているの?
『日本書紀』雄略天皇六年三月の条(推定462年)に、后妃への養蚕を勧める雄略天皇から日本国内の蚕(こ)を集めるよう命令されたが、スガルは誤って児(嬰児)を集めてしまった。雄略天皇は大笑いして、スガルに「お前自身で養いなさい」と言って皇居の垣の近くで養育させた。同時に少子部連の姓を賜った。とある。
ちょっと時間がなかったのでこれくらいで・・・・・またよろしくお願いしますね。
【家族とはあなたにとってどんな人(存在)?】
A,その関係が”当たり前”だと思っている人。
(だから大切にしない、とかではない)
B,私を振り回してくれる人。
(親を選べず、強く影響を受けるのも、
子供に泣かれてあたふたするのも、
恋人とガチ喧嘩して激落ち込むのも、
相手がいてこそである。
他人なら距離をとればいい話。
”そうでない”人が家族ではないか?)
おまけ:
親が子に与えるときは二人とも笑顔、子が親に与えるときは二人とも泣き顔
(ユダヤの言葉)
*子と親は繰り返していく。
(どちらかが、何かの場合では子で、何かの場合には親。
血族上の親も世話されるように(≒子のように)なっていくものでもある。
それを許容し、当たり前と思うことも家族…かな?)
深い関係を築ける存在
居心地の良さ?
「深い関係」って何でしょう?
両親はもともと他人だから、(家系図上での)横のつながりがどのように「家族」になっていくのか、考える視点になりそう。
①災害発生時最優先で安否確認がされる間柄である
②お金・もの・行為などを無償で提供し見返りを求めない関係である
③①②を満たした上で、ある人が死んだ際に精神的・物質的に日常に多大な影響が及ぶ関係
家族といえるのはどんな人?
・お世辞を言う必要がない人(褒めるのは別)
・指摘ができる
・何かあったら話をする意志がある(ような人じゃないとつらいなあ)
・楽しませたい
→その場の空気をよくすることより将来を考える
友達と親友と家族
お母さんと娘さんが親友同然なご家庭ってありますよね。
親友は家族になれるか?
役所で申請すればなれてしまうのでは?
たしかに、、それでは、
親友を家族と思うことはできるか?
本人同士の感情の問題?
政略結婚など、当人の恋愛感情抜きにした結婚で結ばれた夫婦は家族?
(昔の貴族など)
周囲から「家族」に見えれば、「家族」なのか?
>>スパイファミリー
婚姻届け1枚で家族になれてしまう中で
「家族」とは何か?という問い、面白かったです。
ファシリテーターの意見
自分が「家族」と言えるのはどんな存在?
〇子供の頃
一緒に暮らす両親・妹・ペット
〇大人になってから(今)
今はもしかしたら、いないかもしれない
将来的に
もし結婚したら、パートナーのことを「家族」と思えるのだろうか…
自分にとって大事な存在だということは想像がつく。でもそれが「家族」なのか?
「一緒に暮らす、親しい人」=「家族」と言い切れるのかどうか、疑問。
〇考察(グループトークも踏まえて)
・同居していたら家族か?⇒必ずしもそうではない
・同居していなかったら家族じゃないか?⇒そうかもしれない
(ただし、同居に匹敵するくらいの関わりがあれば、その限りではない)
〇For With In のお話
家族とみなせるのは「with」の関係にある人
同じ船に乗る運命共同体
〇もし自分が社長なら、社員は家族か?
必ずしもそうではない。家族同然にまでなれたら強いだろうなとは思う。(ここは自分次第)でもその場合、家族なのではなく、家族同然。だから家族じゃない。
※ただし、家族よりも断然絆が強い場合もあるかもしれない
※家族との違いはパンツ一丁でも互いに素で過ごせるかどうかではないかと思う
(はしゃいでパンツ一丁になるのは違う)
〇親友は家族になれるか?
友達は、友達だと思う。
家族は運命共同体。友達は互いに自分の道を行く独立した存在。
親友は、運命や道を抜きに親しくできる存在。
(つまり、ForでもWithでもない)
家族は、皆で進んでいく道があるので、道を無視して付き合うことはできないと思う。
ファシリテーターとして今回のワークショップを実施し、もし今後また「家族」というテーマで探究をやるならば、
「○○は家族といえるか?」
みたいな、具体的な問いも良いかもなぁと思いました。参加者の皆さんとのグループトークでは私自身も様々な気づきや学びをいただけるので、ありがたいなと思います。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう。
次回は
10月7日(金)19:30~21:00
第175回「本能とは何か?」を予定しています。
引き続き、楽しくて学びになる探究を実施してまいりますので、お楽しみに!