第123回「生き物たちの生存戦略」
第123回 探究型ワークショップ実施!
今回のテーマは「生き物たちの生存戦略」です。
【本日の問い】
先行き不透明な現代を生き抜くために、私たちがとれる(とっている)生存戦略とは?
※
【Game Changer】
地球上において我々ができることは、環境に合わせるだけじゃない。
山に穴を掘り、川に橋をかけ、火薬を使い、鉄の翼で空を飛ぶ…
【グループトーク】
皮膚感覚は、なぜ無意識をよみがえらせることができるのだろうか。
ぼくは、人間の感覚の中で、嗅覚、体性感覚、そして皮膚感覚については言語で語りえないからではないかと考えている。
人間の意識は言語と強く結びついている。
人間の意識はつねに言語で表現ができ、言語で表現しうることが意識だと考える。
ヴィトゲンシュタインによる哲学の定義がそれにかさなる。
「哲学は、語りうるものを明晰に表現することによって、語りえぬものを示唆するにいたる」
「およそ考えうるものは、ことごとく明晰に考えうる。いい表しうるものは、ことごとく明晰にいい表しうる」(『論理哲学論考』藤本隆志・坂井秀寿訳、法政大学出版局)
意識は環境から外からの情報を編集して作られる
視聴覚情報に比べて、触覚は、その個人の個性、意識、無意識双方の経験からもたらされた記憶、それらと強く結びついている。
プルーストは、それこそが時の流れを超えて、人生の意義、価値ある芸術を生み出すと主張した。
意識は、環境から外からの情報を編集して作られる。その編集のしくみは、時代や文化の背景によって異なってくる。
触覚は個人の歴史と強く結びついているが、一方で意識というフィクションを作るしくみからは自由なのではないか。
そのため、触覚をきっかけにして感じられる世界、たちあらわれる無意識は、ときには人間の、あるいは場合によっては生きとし生けるものに共通する世界のなりたちを、ぼくたちに示すのではないだろうか。
人間は、眼で見たほうが正確な情報を獲得できるのにもかかわらず、触覚による情報のほうを信頼する、という興味深い研究結果が報告された(Fairhurst MT. et al. (2018) Sci Rep8:15604)。
カードの上に、プラスチックでTの字をさかさまにしたパターンが浮き出している。
水平の部分の長さは3センチ。
垂直方向の部分の長さがいろいろある。
被検者は、これを指で触る。目で見る。
そして水平の線より垂直の線が長いか短いか答えさせる。
そして、それぞれの答えに自信があるかどうか、7段階の数字で答えさせる。
1が自信なし。7が自信最高。
実験の結果、線の長さの正しさでは眼で見たほうが上だった。
ところが被検者は触って判断した答えのほうに自信を持っていた。
>>触覚から逃れられない人間
>>人間は進化の過程で、視覚による情報感知能力の精度を上げてきた。
>>しかし、情報の信頼性という点では触覚のほうを信頼しているのだ。
>>目の前に何か、興味を惹くものがある。
>>ふと、手を伸ばして触りたくなるという人間の習性は、いまだに人間が世界を知ろうとするとき、触覚に重きを置いている。
>>触覚から逃れられないことを示している。
>>人間のこころの起源が、全身の皮膚を世界にさらしたという事実であるということは、いまだにぼくたちの判断にまで影響を残しているのだ。
>>人間の“退化”している部分もある
>>「言語化」と「感覚」
>>無意識の開放?
>>確かに何となく危ないと感じる感覚は大切ですね
>>「言葉を使う」ことで進化した面、退化した面
>>ただし、、退化は生存戦略の一部分たりうる ?
>>使わない能力は退化する
>>使わなくても良くなった能力
>>漢字、計算
>>日常的には困ってはいないけど…?
>>計算ができないと、雰囲気的なものに引っかかったり…(ポイント10%引き!)
>>「「期待値」」⇒ 物事の判断に使える!
>>論理と感覚⇒タイプがある(職業にもよりそう)
>>農業・狩猟やる人にはスピリチュアルな人・感覚的な人は多い
>>経験に基づく正確な判断もある(統計的?)
ーーー
「取っている」「取れる」生存戦略は、あまりない。
単なる悪あがきに過ぎないのではないか、という視点。
インプットにあった生き物の例や、そのほか「環境や変化に適応した生き物」は、自分の意志で変化したのだろうか?
そもそも動物は、自分の意志で選択したのだろうか?
遺伝子の中に眠る作用(現実には直感や反射による行動など)で、変化や適応に成功しただけでは?
その過程では、変化しきれなかった、適応しきれなかった同族、同種の他の個体はつぎつぎ死んでいったはず。
変化、適応の例として、ある蛾のはなし。
固有名詞忘れました。
もともとは白い模様、白色の蛾だった。
産業革命期のイギリスにて、その蛾は灰色っぽい蛾へ変化してしまった。
空気が汚れて、白では擬態できなくなったからだそうです。
徐々に灰色の個体が生まれるようになって、その個体のほうが生き残れる(目立たなくて天敵に食われたりしない)から、結局適者生存となり灰色の種が多くなった。
これを、人間に置き換えて、それそれが意志をもって、
「おい、明日からみんな灰色にしようぜ」
ってできるわけではないと思うので、取れる戦略って、あまりないのではないか、と感じる。
現代は、変化の激しい時代。
人間の中に、新しい環境に適応した種がちょっとずつ生まれてきていて、いずれその人たちが主流になっていく。
古いタイプの人たちは、(人間は天敵というものがいないように思うので)自分たちで自分を苦しめたり、争ったり、居場所や命を失うことになる。
あるアニメの話をしたいのではなくて、環境にやさしいとか、競争を嫌うとか、利他の精神に富んでいるとか、そういうタイプ。
でもそういうタイプはまだ「いま」の当たり前の中では息苦しく感じてしまって、あくまでマイノリティの位置づけではないか、と。
一応、ニュータイプ(ガンダムより)に触れておくと(笑)、
やっぱり、人工ニュータイプ(強化人間)は無理があるので、人間が自然の中で進化していくのを待つ。
あえて言うならそれを促すことが「取れる戦略」なのではないか、と。
いずれ、人類はみな宇宙へ出るべきですね(byシャア・アズナブル)
最後に真面目にまとめると、
取れる生存戦略はああるのか分からないが、
変化に対して柔軟な姿勢でいること、
変わることを恐れないこと、
があえて言うなら生存戦略ではないか、と思う。
>>そもそも「進化」とは無意識的?
http://www.millerandlevine.com/km/evol/Moths/moths.html
↑工業暗化
https://duckduckgo.com/?q=man+after+man&atb=v266-1&ia=web
>>マンアフターマンを思い出しましたw
>>人間は基本的には楽したい生き物
ー現状維持、普通は、流されていく(8割くらい)
>>「時間の感覚」⇒持っている生き物は?
>>進化は「突然」
>>なお遺伝子組み換えは…( ⇒人工的な…)
>>100匹目の猿現象
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今行っている生存戦略
①サバイバル能力をつける
→農作物、狩猟、釣り、自家発電、仲間づくり等
②川上の情報を手に入れる
③目立たないように生きる
→無駄に嫌われない、無駄に敵を増やさない
→同調圧力に従っているふりをする(マスクとか)
④メンタルを鍛える
ex.「夜と霧」 生きのこった人の共通点は?
⑤自分と同等もしくは強いものと競争しない
→「戦わずして負ける」「逃げ恥」
⑥危機に対するシュミレーションをしておく
>>情報は川下に行くほど腐っていく(なおネットは…
>>マスク分かります~(笑)
>>「雪山の遭難」
>>生きて、何をするか、未来を見る力もやっぱり大事そうですね。
>>目立たぬようにはしゃがぬように似合わぬことは無理をせず
>>成功している人を見ると、上手に負ける人が多い
>>智に働けば角が立つ情に棹させば流される(草枕)
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【生存戦略】
〇食料
・自給率低いのにフードロス(日本とか)
⇒何かに利用できないだろうか
⇒バイオ発電、肥料など
⇒無駄を無駄ではない形に変えられないか
〇ソーラー発電
・再生可能エネルギーの一環になるかもしれないけど、、
・50年経ったら廃棄される⇒ロスになってしまうのでは?
・畑などと併存できないか
>>サステイナブルな世界がいいですね
>>フードロスの問題は根深いですよね。そもそも自分たち一人一人にマインドが変わらないと。お店に在庫がなくても文句を言わないマインドに(笑)
>>ソーラーパネルは土砂崩れの原因となる可能性もありますね。
>>実はコンビニよりも一般家庭の方がロス多い
>>環境の問題・自然の問題、科学技術だけで解決するのは無理じゃないか、、
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【私たちの生存戦略】
1,人間というイチ生物として
〇雑食(毒のない有機物であれば、なんとか、、ね。)
〇好奇心
・様々な研究と技術開発
・それによって社会(≒自分たちのシェルター)が発展していく?
〇情報に対するアンテナ
・記録を残す、情報を保存する
・経験と知見の蓄積(歴史)
※中には文字を持たない文化もあるそうで…
〇もし昔の人が第六感を持っていたとしたら、、
・第六感を封印したこと
⇒社会を発展させるうえで、科学の進歩は大きい
(が…そこに第六感と呼ばれるものが全くなかったかと言われると、、どうだろう)
〇哲学、宗教
・ストレス耐性(じっと耐えるだけでなく、ポジティブにストレスと向き合うこと)
・拠って立つもの(自分の信ずるところ、信念)
⇒本能に逆らい、大きな仕事を成し遂げるには必要??
〇「我慢」と「セーフティネット」の両立
・我慢のし過ぎで死ぬのは良くないが、
・我慢をして秩序を保てるのは強い
⇒仲間のために自己犠牲をする動物はある程度いるものの、
⇒利他的な精神を持ち、人権を保障したり、医療福祉を整備してるのは強い
(ただし、地域による。。)
☆これからの時代
・ニュータイプの出現!!
☆うんこを漏らす💩
・定住を捨てたこと
※赤ちゃんの最も苦手なことの一つは「トイレでうんこをすること」
⇒最適な環境を求め続ける
⇒人の交流が生まれ、文化が発展する(居住可能範囲の拡大)
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2,社会の中で生きるイチ個人として
〇ニッチ戦略
一番必要なものだけを磨き上げ、それ以外は放っておく(無理をしない)
・・・
と言いたいところだが、それは一つの場所に定住できた時代(終身雇用)の考え方だろうか
⇒“渡り歩く”時代には、それだけでは足りない(無用ではないが、、)
自分の強みを1つ持って新しい環境へ入り込み、そこで適応していく力
【ファシリテーターより】
今回もご参加いただきありがとうございました。
ファシリテーターの木原です。
今回は少数メンバーで、私たちの「生存戦略」についてまったり、じっくり、考えていきました。
(小数なれども、個性はぞろいで、出てくる意見はどれも深くて面白いと感じました!)
今回のテーマは、
「先行き不透明な今だからこそ、色々な生き物の生存戦略について考え、そこから学びを得てみよう」
というコンセプトもあって企画させていただきました。
生き物は進化の過程である部分を強化し、ある部分(使わなくて良い部分)を退化させてゆきます。
すなわち「選択と集中」ですね。
(例えば、蛇なんかは手足を捨てることで広大な移動範囲と地中と言う独占フィールドを手に入れましたし、ダチョウは飛ぶことを辞めて地上に降り立ちました)
そこで人間が選択と集中してきたものは何なのかと考えるのはとても面白いと思います。
ワークショップ中でも出てきた話題ですが、人間が言語能力を獲得した代わりに失ったものは何かあったりするでしょうか?
また人間は、明らかに今必要な分以上に一生懸命働き、己を鍛えるためにあえて自分を追い込むことさえできます。
(後者は特に、他の動物にはあまり見られないのではないでしょうか)
何がそうさせるのか、、一つは「時間間隔」なのではないかと思います。
ワークショップ内でも、「時間」の概念を持つ生き物は他にいるのか?という話も出ていましたが、人間は「未来を考える」ことができるというのは殊更大きいと言えるかもしれません。
「生存戦略はそもそも取れないのではないか?」という視点や、そもそも生き物が生きるための根本である「食料」についての視点(これはまさに、先行き不透明な今、どう生存していくかという視点でとても重要なトピックだと思います)も、色々考えさせられました。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
またやりましょう!
本イベントにご興味を持ってくださった方、是非一度ご参加いただけたら嬉しいです!
(中高生から大人まで、幅広い年代の方のご参加を歓迎しております!)
次回は第124回「ゲーム条例」を予定しております。
今後も楽しくて学びになる探究の場を実施していきますので、お楽しみに!