第99回「学校には行った方がいいか」

第99回 探究型ワークショップ実施!
 
【アイスブレイク】
・自己紹介
・私はこんな人です!
・「あなたは、学校が好きですか?(学校が好きでしたか?)その理由は?」
 
 
【インプット】
深く考え皆で話し合っていくために、まずは以下の事項を皆で共有しました!
「なぜ学校に行くのだろう」と、深く考えたことはありますか?
 
◯学校とは
・学校教育法1条(学校の範囲)
この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、
高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び
高等専門学校とする。
いわゆる「1条校」といわれる学校で、これが「法律に定める学校」です。
・教育基本法 第1条
教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
学校は、「人格の完成」を目指すために教育活動が行われる場所の一つ。
 
◯「学校」は、日本の公的な教育機関
たくさんの優秀な大人たちが関わり、何百年と言う歴史の中で作られたもの、それが「学校」です。
 
◯学校に行かなければならない?
教育基本法 第4条 (義務教育)
国民は、その保護する子女に、
九年の普通教育を受けさせる義務を負う
 
◯小学校や中学校であれば、義務教育だから行かなければならない?
→ 義務教育は、子どもに対する義務ではなく、親に対する義務。
保護者が子どもを学校に通わせて、教育を受けさせる義務があるという意味。
子どもが自分で学校に行かないという選択をしても、
罰則を受けることはありません。
学校に行ってない生徒(不登校)が増加している。
 
◯学校に行っていない方々の事例
・中島芭旺(ナカシマ・バオ)さんの例
10歳のころに出版した著書が累計17万部を突破。
「小さなからだの哲学者」として世界で高く評価される。
小学3年生のとき、「学校へ行かない」ことを宣言。
自宅で学習したり、読んで「面白い」と思った本の著者の
講演会に一人で出かけていったりして学ぶ。
「学校に行きたくないときに無理して行かない」「自分のことは自分で決める」
と決めてから、かえってやる気が出るようになった。
 
・小幡和輝さんの例
高校生で会社を作り、2017年には47都道府県から
参加者300人を高野山に集めて地方創生会議を開催。
1億円の地方創生ファンドも設立。
幼稚園の頃から中学3年生まで10年間不登校。
「不登校は不幸じゃないし、学校って本当に必要
なのか、社会に問いかけたい。」
 
・工藤尚悟さんの例
東京大学大学院の研究員。
学校の授業で、あるとき「何でこれをやるんだろう」「それで?」って思った。
どこか遠い、違うところに行きたいという思いを持ち始め、19歳のときにニュージーランドに留学。その後大学へ進学。
 
◯海外の事例
・フィンランドの場合
学校に行かない子どもの数は、年々増加傾向。
「登校拒否」という言葉はなく、家庭内で学習する「ホームスクーリング」と言う。
フィンランドの基礎教育法の第26条
「義務教育は、この法律に従って編成された基礎教育に参加するか、その他の方法で基礎教育のカリキュラムに対応する情報を受け取るものとする」
親は子どもが義務教育をどのように完了するかを決めることができる。
 
・アメリカの場合
聖書の学びで祈る家族。
アメリカのホームスクーリングで学ぶ子どもは全米で100万~200万人。
コンパス・ホームスクールでは、普段、家で勉強
している子どもたちが週に1、2回通う。
プログラミング、ロボット製作など様々なもの
が用意されている。
これらのことについてみていきました。
 
 
【問いかけ】
学校に行った方が良い?行かなくても良い?
〜どちらかを選び、反対意見の人を説得してみましょう。〜
 
 
【探究】
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
学校に行った方がいい?
⇨YES
いかなければいけない?
⇨NO
 
学校の要素
知識・技能と思考力・コミュニケーション能力に分けられる
前者ーツールが沢山ある 選択肢を持たせた方がいい
後者ー自分の嫌いな人、ことに出会う機会
現在の教育(高校生の私から見た)
学校に対して受動的 
忙しくて学校へ行くべきかなどの本質的なところを考える余裕がない
自分で学校に行く意味を見出すのが大切
その上で学校に行かないという選択肢は無くすべきだはないが消極的なものではなく積極的なものという捉え方
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
行った方がいい
・自分では選ばない人たちとの出会いがある(先生・友だち)
・いろいろな意見と出会える
・規則正しい生活ができる
・気分転換になる
・お昼の心配をしなくていい(小中学校で給食がある場合)
・周りに大人がいる
・自分と同年代の平均値を知ることができる
・恋ができるかも?
・お日様を朝浴びる習慣ができる
・所属体験ができる
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
【学校に行ったほうが良い点】
学校に行かなかったことのせいにする
ことがなくなる
周囲からの「学校行け圧力」に対抗するのが面倒
初対面だと大したことなくても賢そうにしゃべると賢そうに見える(?)
みんなの大体がわかる
海外で留学や就職するには一定の学歴が必要
応用が利く
 
【学校に行かなくてもよい点】
学校で学ぶことは学びのほんの一部
時間の無駄や人間関係の悩みから解放される
先生に洗脳される可能性がない
いわゆる自営業、プロ選手や猟師等の場合、学歴はあまり関係ない
 
【まとめ】
本気でやりたいことがあるなら不要だし、むしろ行かないほうがいいことも多い。
但し学校に行かない責任は親でなく、自分が負う覚悟を。
大事なのは、どちらが正しいかより、自分で考えて選ぶこと。
 
<「猟師等の場合、学歴はあまり関係ない」ってすごいパワーワードw
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
行かなくてもいいかな?
学習者、本人の意思に任せていいと思います。
学校に対して息苦しくなったり、
しては元も子もないので
学校だけにこだわりすぎず、自分が意味を見つけられる場で、
自分らしく学んでいくことが大切なのではないかと私は思います。
もし、学校に行くことに意味を感じられないのであれば、
学校以外の場にも目を向けてみて、自分が意味を感じられる場所を
探してみるのもいいかと思います。
 
<ただ現実的な話をすると、学校に行かないと周囲の人の「学校行け」圧力はすごいですので、かわしたり耐えたりするのは結構大変です。
<学校は理不尽さを教える場所ではない。
<理不尽さは解消していく努力をする。
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
学校に行った方がいい
最初に…
義務教育と言うからには必ず意味がある。
1872年に義務教育が導入された。
→このとき導入されたのは「富国強兵」が関わっていたとされる
経済と軍事を発展すさせ国を強くするには教育を施すことが重要だったと考えていたために義務教育を導入した。
 
個人的な見解
義務教育の意味は最低限の教育を受けたという保証であるのだと思う。
行っていればここまではわかるという保証が学校には意味としてあるのだと思う。
また、コミュニケーションをとる場として身近な場所が学校であるのでそうした意味でも人格形成に関わってくるのだと思う。
 
<学校に行ってなくても卒業できてしまう
<こうした場所として提供すべき
<中国では仕事受けるときに、最低限の知識がなければ仕事ができなきゃなれない。
<教育を受けさせる義務が親に受けさせるとあるが罰則はあるか?
<罰則はある。親としてもリスクがある。
<10万円の罰金がある。
<日本では、ホームスクーリングがなんとも言えないから文科大臣もO K
できない。
<学校教育法91条 就学義務免除の手続きをとらずに、親(親がいない場合は保護者)が学校にいかせなかったら、行かせなかったら、修学義務違反(19万円以下の罰金に処する)と定められています。
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
>YES(でもNO)
義務教育;行った方がいい。
(その国で必要だと思うこと&その国の共同体運営については知る方がメリットあり)
その他:それよりも良いモノがあるなら別にいい。
(自衛隊とどっちがいい?的な話)
 
>補足(視野拡大のために):
主語の話(誰が学校にいくべきか)
ー生徒:自分で選ぶ
ー先生;面白さ/ケア/色々な学校で様々な世界を学ぶ
 (教科書を読むだけなら人間はいらない)
ー親 :モンスターペアレントにならない方法を学ぶ
ー役人:子供に教わる
ー校長先生:国語力、鍛える(挨拶長い)
→この問は生徒だけにとどまるべきなのかしら?
 
>二元論からの脱却
実はこれ、「行く/行かない」ではなくて、
共同体で馴染めない(力を発揮できない)けどどうする?
必要なことを学びたいけど学べない、どうする?
レッテル(≒学歴)が優位に働いてしまう(他の基準が弱い)けどどうする?
とかいう話ではないか。
→安易な二元論をうのみにしない。
その人にとってより良いモノを提供しよう!
 
問題を解決しよう!
その方法を皆で学ぼう!
 
*反対意見は説得しない、共に共存しよう!
 
<先生が学ぶというのは高校生的にはやってほしい。
<行く行かないは生徒に絞ったものではない。
<学校の先生に「先生の責任は面白くわかりやすいような授業をすることでは」と言う話をしたことがある。
<パンクやなあ。。。w
<うちの校長は先生は上、生徒は下という感じ・・・
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
自分は、行った方が良いと思う。
(ただし、「令和3年現在において、多くの人は」と付け加えます)
 
〇理由
・まず前提として、「義務教育⇒高校⇒大学」という所謂王道(?)ルート以外に道はないのかと言われれば決してそんなことはない。
・実際、中学生の20~30人に1名、すなわち各クラスに1人以上くらいの割合で不登校の学生がいると、仕事を通じて知った。
・実際にそういう子たちと関わる中で、その子たちに未来がないかと言われれば、決してそうではないと感じる。
・(通信制高校も学校ではあるが、、)自分がまさに所謂普通科に行かない子たちの未来を常に考えているので、道は色々あるのだなぁと実感している。
・また学校とは違うけれども、自分も仕事をドロップアウトした経験があるけど、今何とかなっているし、そこからも感じるところはある
 
さて、、
・それでも学校に行った方が良いかと問われれば、自分は行けるなら行った方が良いと思う
・なぜならほとんどの人はそれほどタフじゃないから
・世の中が変わってきているとはいっても、、
 会社に就職する人は多数いて、
 会社に就職するには大学を出ていることはそれなりに強く、
 大学に入るには高校を出るのが一番早道ではあると思う
・言い換えれば、ホリエモンはいかなくてもいいかもしれないけど(笑)
 
・また別の視点ではあるが、、
行かなければめっちゃ苦労すると思う
けど行っても社会に出て苦労はする
(むしろ何も考えずにエスカレーターしてしまうと、壁にぶつかる、、かな)
だから、行くか、行かないか、に関わらず、大事なことはあるね。
一応、行くか行かないかで言えば、言った方が良い人が多いのは事実かなという気がします。
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
学校は行った方が良い
・学校とは「世界の解像度を上げるきっかけ」をたくさん得られる場
 1)学科で学んだことを、日常生活など学校外の事象と紐づけて、学びを膨らませることができる。
   例:国語で山村暮鳥の詩に触れた→初めて「言葉の力」を意識→書店で自分で本を購入。純文学を読み漁るきっかけに。
    →手に取るまでが大きな一歩。その機会を提供してくれたのは学校!
 2)学校ならではの原体験
   例:様々な背景、背景を持つ方と出会える場
 
<あらゆる学問のきっかけ、フックが、学校のカリキュラムにはある気がします。
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
学校には行ったほうが良い
・いい経験かどうかはともかく、無駄な経験はない
・学校ほど相手や仲間を選べない場所はない
・学校を出ると自分の社会的立場、価値観の似た人に会うことが多い →狭い世界だけど、学校がないと知り合えない人は多い
・苦手や嫌いを知る、向き合うきっかけになる
・親の判断以外でも教育の完了を決める価値観があったほうがいい(その判断が教員である必要はないかもしれないけど、、、) (個人的な感覚)
・人と何かを学んだり揉めたりすることは面白い
・いろんな人と関われる人は逞しく生きていけると思う
・肯定感を上げるために他者が構ってくれる時期は正直学生までだと思う →その温かさ?みたいなものに結構大人になって救われたりもする
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
本当に辛い(自殺したいとか)以外は行った方がいい。                               学校は、社会の理不尽さになれる場所
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
日本も海外も探せば探すほど多くの学校があることを知りました。
(例)
①離島留学制度
②専門学校(現代社会の変化は速いからこそ、学びが楽しい)
③通信制高校
④フリースクール
⓹海外 又、学校は集団意識が強い。生徒数が少ない学校をえらぶ。自分で学校選べる方法
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
私は通信制高校とかも含めて学校と理解してました。
そのうえで、学校は行ったほうがいいの意見にしました。
 
<「行った方がいいよ」=「あなたに合うところはきっとあるよ(今の時代は特に)」
の意味にもなるかもしれませんね。
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
行かない方がいいというご意見(あえて)
学校も一つの選択肢という状態を作ることが理想なのではなかろうか。
子供のうちは「好き」を突き詰める経験が貴重になるのではないだろうか。
学校も、そのような場になっていけたらいいなって思いました!
 
<すごくいい!!!
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
学校に行った方がいいか??
行った方がよい!
※ぼくは高校中退してますけどね(笑)
行く価値のある学校をつくるべき(にするべき)
※時代や人によって違ってよい
※均一化っていうのが、いまはそぐわないのではないか?
※変化に柔軟な学校が必要。
「文部科学省」制度は、
均一に効率よく、教育(たとえば読み書きそろばん)などを提供するには効果的だった
例)明治維新~富国強兵とか、高度経済成長とか
フィンランドだっけ?
※義務教育の内容は、親が提供してもよい(どうやって規定しているのか??というか規定しすぎなくてもよい??)
アメリカ
※文科省のような全国統一機関はない。
※州ごと、もっというと地区ごとに教育に関する権限がある。
※6-3-3制はアメリカから取り入れたってちょっとウソですよね(笑)
 アメリカは、州によって地域によってちがう。主要なのは5-3-4制。
なのに、教育にかける費用は5兆円くらい。多様性とイノベーションが起きやすい。
ちなみに日本は4000億円くらい。
いったほうがいいのだが、行く価値のある学校をつくる、ということがポイント。
それがないなら、仕方なく、行かなくても良いと思う
 
ーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
【ファシリコメント】
今回、ファシリテーターを務めさせていただきました、精華学園高等学校錦糸町校の菊池です。
たくさんのご参加をいただきまして、ありがとうございました。
参加者の皆様から、学校に行った方か良いか?行かなくても良いか?という問いかけのご意見をたくさんお聞きさせていただき、学校に携わる身としてもたくさん勉強させていただきました。学校に対しての見方って、本当に様々な視点があるんだなと、改めて思いました。好意的な意見もあれば、改善すべき点もたくさんあるかと思います。学校に関する問いかけは、本当に正解のない問いであると思いますし、これからも考え続けていくべきものであると実感しました(最後まで議論が絶えない時間でしたもんね。)
また皆さんとぜひ議論ができたら幸いです。今回は、このような素敵な時間を作っていただき、本当にありがとうございました。
 
参加してくださった皆様、ありがとうございました!
是非またやりましょう!
 
次回は記念すべき第100回『日本人らしさ』を予定しております。
今後もまた面白くて学びになる探究の場を実施していきますので、お楽しみに!
探究

前の記事

第98回「災害に備える」
探究

次の記事

第100回「日本人らしさ」