第41回 探究「I Love u」

第41回 探究型学習コース実施!

【アイスブレイク】
今回の(裏)テーマ「相手に想いを伝えること」にちなんで、
チームに分かれてグループワーク:相手の心を動かす何かを考えてみよう(セクハラ等はナシ)
を実施!
2つのチームに分かれて行いましたが、結果はどちらも、お互いに相手の心は動かせず…(不思議なギャグで見ている人が“不安“になるという動きはあったかもしれません。笑)

人の心とは何なのか、人はどのようにして心が動くのか、考えるきっかけになったところで、、本編へまいります!

【探究】
今回のテーマは「I Love u」ということで、

世の中のあらゆる表現方法を使って、相手を落とす(相手の心に響かせる)「I Love You」の最強の翻訳を考えてみよう
※ただし”長さ”は問わない

という問いかけについて探究していきました!
「I Love You」の日本語訳といえば

・愛してる
・今夜は、月が綺麗ですね
・死んでもいい…

などなど、ロマンチックな表現がいくつも存在します。
(通常はシンプルに「愛してる」と訳されますが、小説内や逸話なども合わせると、色々なものが「I Love You」の翻訳であると解釈することができるのです。)

〜インプット〜
○夏目漱石
「月が綺麗ですね」
→近年ではガセネタ説も流れていますが、、まあそれはおいておき、実にロマンチックな表現。

英語の「I Love You」は3つの単語から成り立つ非常にシンプルなもので、その場には「私」と「あなた」がいて、直接向き合い、想いを伝えている状況。

※ちなみに、臨床心理学者のトマス.ゴードン曰く、メッセージには「I」メッセージと「you」メッセージなるものがあり、相手に抵抗無く伝わるのは前者の方で、この「I Love you」も前者。

一方で「月が綺麗ですね」という表現には「私」も「あなた」も「愛」も出てこない。状況としては2人で並んで月を見上げている、言い換えると共通のものを2人で見ていて、それに対する想いや感情が通じ合っている状態。目でも耳でも無く心が通じ合っている状態であるため、夏目漱石はそこに2人の愛を見出したそうな。
日本語の奥深さを感じられますね。

〇エーリッヒ・フロムの「愛」の哲学
「愛するということ 〜The art of loving〜」より

「I Love You」の翻訳を考えるので、まずは簡単に「愛」の哲学


人々が愛を軽く見ているのではない。それどころか誰もが愛に飢えている。ところが、愛について学ばなければならないことがあるのだと考えている人はほとんどいない。それはなぜだろう。


第1の理由は、大抵の人は愛の問題を、「愛する能力」の問題ではなく「愛される」という問題として捉えているからだ。つまり人々にとって重要なのは、どうすれば愛されるか、どうすれば愛される人間になれるかということなのだ。


第2の理由は、愛の問題は「対象」の問題であって「能力」の問題ではないという思い込みである。愛することは簡単だが、相応しい相手を見つけるのは難しい、人々はそんな風に考えている。


第3の理由は、恋に「落ちる」という最初の体験と、愛の中に「とどまっている」という持続的な状態とを、混同していることである。


人間は孤立することを最も恐れている。孤立は強い不安を生む。人間の最も強い欲求は、孤立を克服したいという欲求である。人間はいつのどの時代でも、同じ一つの問題の解決に迫られている。いかに孤立を克服するか、いかに他者との一体化を得るか、という問題である。

以上は、「人が愛すること、愛されることについてどのように考えているのか」という部分について考えるヒントになるかと思います。告白する際には、重要です。

〇進化心理学

☆人を好きになる理由
①自己要因
興奮状態(吊り橋効果)
自信低下
認知的不協和(自分があの人を助けてしまったのは、あの人のことは好きだからに違いない、と思い込む)
自分とよく似ている
外見がいい(好み)

②他者要因
相手が自分を好きになってくれている
褒めてくれる
良く会う
自分の秘密を打ち明けることができる

続いて「伝えること」について

〇企業名想起率ランキング
(キャッチコピーの認知度)

ちなみに「お口の恋人」が14年連続首位!

〇ちなみに仏教にも、人の心の動きについて説かれている
「受」→「想」→「行」→「識」

〇良い広告を作るための必須条件

☆キャッチコピーとイメージ
・「ターゲット・内容」を明確にする
・ターゲットに響く内容を短いセンテンスで、できるだけ大きく表現する
・人間は1秒以下で印象の判断をする
→消費者に有益な情報を書いておき、一瞬でも目にとまれば成功

☆行動指針
・消費者が興味を持った時の行動指針を明記する

☆その他重要事項
広告を消費者が「読む」ことはない
広告は、消費者が必要とした時のきっかけづくり

〇「芸術」とは
翻訳の具体的な表現方法は、主に「芸術」から持ってこれそうです。

表現者または表現物と、鑑賞者が互いに作用しあうことで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動

☆文学
詩、小説、物語、戯曲、随筆…etc

☆美術
絵画、彫刻、折り紙、書道、陶芸、建築…etc

☆音楽
作曲、演奏、歌唱、指揮、図形楽譜…etc

☆総合芸術
演劇、オペラ、能、狂言、歌舞伎、ダンス、ボディアート…etc

☆映像芸術
映画、アニメ…etc

☆デザイン
ファッション、衣服、テキスタイル、空間デザイン…etc

☆その他
漫画、茶道、香道、料理…etc

今回、テーマとして扱ったのは「告白する」ことでしたが、前述にもある通り、裏テーマには「想いを伝える」「相手に響かせる」というところがありました。何かをしようと思ったら、他者を巻き込んでいくことが求められていきます。そのためには、想いを伝えて共感を得なければなりません。あるいはビジネスで商品を買ってもらううえでも重要です。どうすればメッセージを伝えて、相手の心に響かせられるのか。今回の探究をきっかけに、皆で考えていけるようになればと思います。

参加してくださった皆様、ありがとうございました。
また、やりましょう!

次回は 11/21(木)「イノベーション」をテーマに皆で探究していきます!

次回もまた、面白くて学びになる探究の場を提供してまいりますので、お楽しみにッ!

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