【OIC】半導体不足と我々の生活

こんにちは。木原です。

11月13日(日)に、OICワークショップ11月第1回を実施しました!

今月のテーマは「テクノロジーと経済」

第1回は「半導体不足」についてです。

色々なところで使われる「半導体」。

今やそれなしではとても生活できない時代となりました。

  • 半導体は私たちの生活にどう関わっているのか
  • 「半導体不足」の現状にどう対処していくべきか

今回は、そんなワークショップです。

OICプログラムとは?

※読み飛ばす場合はこちら

OICプログラムは、世界で起きていることや重要なテーマについて関心を持ち、自分で考え行動するきっかけになるとともに

  • 批判的・論理的に思考する力
  • 他者と議論する力
  • 自分で情報収集し、判断する力

を鍛えることを目的とした、主に中高生(一部小学生も参加可)対象のワークショップです。

 

今は「VUCA時代」といわれる、社会が激しく変化し先が読めない時代です。

例えば

2011年にアメリカの小学校に入学した入学した子供たちの65%はその時存在しない職業に就くだろう

と予測されています。また

約3分の1の企業が外国人留学生を採用する

というデータもあり、

  • 一生日本人とだけ仕事をする
  • 日本人だから日本の企業に就職できる

という時代は終わったと言えるでしょう。

だからこそ、こういった先行き不透明な時代を生き抜くために必要な力を身につけなければなりません。本ワークショップでは、まずは世の中で起きていることを知り、深く考え、他者と意見交換をするといった経験を積んでもらいたいと考えています。

本ワークショップでは次のことを大事にしています。

OICワークショップに参加する時の心構え

発言は自由!(どんな意見も歓迎)
※答えは一つとは限らない

聞く姿勢も大事。人の意見に相槌を拍手を送ろう!

ここには、

  • 様々な視点で柔軟に意見を出し合って学びあう
  • 意見を言うことにチャレンジする
  • 聞く姿勢を身に着ける

ことを実践してもらう狙いがあります。

今回のテーマについて

半導体って何だろう?

半導体は「電気を通す場合とそうでない場合がある物質」。例えばシリコン(珪素)は半導体に使われる物質として有名です。集積回路に使われ、パソコンやスマホなど身の回りのありとあらゆる機械などを作るうえで欠かせないものとなっています。

アメリカの有名な「シリコンバレー」は直訳すると「珪素の谷」。まさに、最先端のIT企業が集まるエリアにふさわしい名称ですね。

半導体はどこで使われる?

半導体について基本的なことを知ったうえで、まず1つ目のワークを実施。

スマホ、タブレット、パソコンなどの通信・精密機器や

テレビなどの家電、

電車や太陽光パネルなど町中にあるもの、

ミサイルなどの兵器まで、

様々な事例を皆で挙げていきました。

なるほどミサイルにも使われているのですね…。

軍事にも半導体は欠かせないということは、半導体をたくさん持っている国は軍備を整えられるということ。反対に、半導体が不足している国は半導体を使った軍備を整えることはできないということ。そう考えると、「半導体不足」というのは単に生活が不便になる以上に危機的なことなのかもしれません。

 

半導体不足

続いて、半導体の生産量や市場の現状について皆で学びました。

例えば、1988年の日本のシェアは50.3%で1位でしたが2019年現在ではたった10%しかありません。売上トップ10の企業も、1992年時点で10社中6社が日本企業でしたが2019年にはたった1社のみ。

いずれ日本のシェアは0%になるだろうと予測されています。

最近ではプレステ5や任天堂スイッチが手に入りにくい(深刻…)など、実際に私たちの生活にも影響が出ていることを実感できる事例もありました。

このまま半導体は手に入らなくなってしまうのでしょうか。

しかし、

「じゃあ、半導体は使いません」

という訳にもいかなさそうですよね。

そこで2つ目のワークでは、次の問いについて考え発表してもらいました。

個人ワークと発表

小5の参加者

節約し、使わないようにする

ファシリテーター

なるほど、大事なことだね。

でも車やスマホなど、使わずに生活することってできそうかな?

難しい問題だね…。

小5の参加者

エアコン代わりになるものを置く

中1の参加者

車に乗らなくて済むよう、近所で生活が完結するようにする。

小6の参加者

使い終わった半導体を再利用する

中3の参加者

半導体をたくさん作る

中2の参加者

半導体が使われているものを長持ちさせる

高2の参加者

半導体を作るのにロスが生じているので、日本の技術を生かして効率的に半導体を生産できるようにする。

まとめ

なぜ昔は50%もシェアがあったのに、今は低迷しているのか。それは、昔は「壊れない半導体」を作る点において日本の技術が優れていたものの、次第に低価格で多くの生産が求められるようになり、人件費の安い国が有利になってしまったからです。

現在、アメリカと日本は中国の半導体を買わないようにしています。アメリカは「国内生産を増やすこと」を方針としており、

「これからは made in USA だ。中国製には頼らない。」

と、バイデン大統領も言いました。

では日本はどうでしょうか。

  • 国内で沢山生産することはできない、
  • でも中国のものは買わない、

という状況。

「半導体は産業の米」と言われますが「米のない食事」なんて考えられるでしょうか?昨今の円安で、本来なら車が売れるはずなのにそもそも車を作れない、という状況も深刻ですね。

どの社会課題をテーマに考えても同じですが、この半導体不足の問題も「決まった正解」はありません。何が正解か分からないし、正解は1つではないかもしれない。今回自分が調べたり考えたりしたことは、既に色々なところで検討されており、そのうえで簡単には課題を解決できないのかもしれません。難しいですね。でもだからこそ、我々の生活に直接影響を及ぼすこの問題について、関心を持って考えていきたいものです。

次回、11月2回は「レアメタル」をテーマに実施していきます!

OICへ参加希望の方はLINEで
「OICに参加したいです」
とメッセージをお送りください。
※初参加の方、および当サロンを体験中の方は無料です