【OIC】10月「水問題」 第2回

こんにちは!
SSS主任コーチ兼MWCファシリテーターの木原です。

私の祖母が富山県の入善町というところに住んでいるのですが、そこは町のいたるところから美味しい水が湧き出てくるような土地で、水も、米も、おまけに港町なので魚も美味いという、子供の頃毎年遊びに行っていた私にとってはまさに楽園のような場所でした。

出典:第16回ふるさと回帰フェア 富山県 入善町

そういった経緯もあり、「日本はいたるところから水が湧いたり流れてきたりするし、海も山もあって米も育つから、実は水や食料の問題って頑張れば何とかなるのでは…?」と漠然と考えていたことがあります。しかし世界で起きていることを知ると、色々と考えさせられます。やはりそう単純な問題ではないのですね。

 

10月16日(土)に

ジプロスLepton本一色教室(以下、レプトン本一色)さんと共同で、

「OICプログラム 10月第2回」を実施しました。

第1回に引き続き、テーマは「水(水問題)」です!

OICプログラムとは?

OICプログラムは、世界で起きていることや重要なテーマについて関心を持ち、自分で考え行動するきっかけになるとともに

  • 批判的・論理的に思考する力
  • 他者と議論する力
  • 自分で情報収集し、判断する力

を鍛えることを目的とした、主に中高生(一部小学生も参加可)対象のワークショップです。

テーマは毎月様々で、これまで

  • 6月「ジェンダー」
  • 7月「中東問題」
  • 8月1回「留学のあれこれ」
  • 8月2回「SDGs」
  • 9月「気候変動」

と、実施してきました。

 

なお、OICのワークショップでは以下のことを大事にしています。

OICワークショップに参加する時の心構え

発言は自由!(どんな意見も大歓迎)
※答えは一つとは限らない

聴く姿勢も大事。人の意見に相槌や拍手を送ろう!

ここには、

  • 様々な視点で柔軟に意見を出し合って学び合うこと
  • 意見を言うことにチャレンジすること
  • 他者の話を聞く姿勢を身に付けること

を、実践してもらう狙いがあります。

意見を出し合う(発表)

今回は10月第2回ということで、事前に各々調べたり考えたりしてきたことを発表してもらいました。

前回のおさらい

世界で生産されている穀物の量は、

世界の人口を支えるのに十分な量。

しかし飢餓人口は世界で約8億人。

なぜこんなことが起こるのだろう??

実は、先進国の人々の食生活が大きく関わっている。

例えば、肉食。

先進国の人々が食べる家畜を育てるために、

世界で生産された穀物の約3分の1が使われている。

バーチャルウォーターに着目して見てみると、

肉を1kg生産するために

風呂77杯分の水が消費されていることが分かる。

またアメリカやオーストラリアは

穀物の生産地として有名だが、

その大規模農場が水源として頼っている地下水は

枯渇の危機に瀕している。

これは、難しい問題。

これまで水資源の問題はローカルなものだった。

しかし現在は、貿易でモノが行き来しているため、

世界の水の枯渇を心配しなければならない。

食料自給率の低い日本は、

将来食料を確保できなくなってしまう

可能性だってあるのだ。

SDGsのポイントは、

「身近なところから、自分にもできることがあるはず」

というところにあります。そこで

  • 自分が身近にできることは?
  • もし自分が日本のリーダーだったら?

という視点で、各々考えてきてもらいました。

自分でにできること

中2 Yさん

コーヒーではなく水を飲む

小5 Mさん

塾に行く時に、買ったドリンクを飲み切れずに捨ててしまうことが多いので、気を付けたい。

中2 Y君

シャワーを出しっぱなしにしない

ファシリテーター

大事なことだけど、日本ではあまり気にならないかも。一方で、アメリカでホームステイすると、「シャワーは短く」と、水を使いすぎることに対して敏感だったりもするんだよね。

中2 Y君

一定数使うと水に切り替わる地域もあるって聞いたことがあります。

大人

この前キャンプに行った時、山梨県産のワインを買ってみた。コーヒーやワインの消費を0にすることはできないけど、消費者として考えるべきことはあるかもしれない。

もし自分が日本のリーダーだったら?

中2 Y君

雨を溜める

川の水を使えるようにする
(事業を立ち上げる)

ファシリテーター

日本はまあり水に困っていない。だからこそ、自分たちに何ができるのかを考えるのは大事かもしれないね。

中2 Aさん

森を切らないようにする

ファシリテーター

日本国内でというよりも、むしろ自分たちが飲み食いするものを作るために、海外で森が沢山伐採されているのではないかな?だからこそ、遠い国の話だからといって自分たちに関係ないとは言えないのかもしれないよ。

中2 Yさん

野菜を食べよう運動みたいなものを打ち出す

この問題に挑む人達の実例を知る

意見交換では、「水を節約する」ことや、前回のインプットをヒントにバーチャルウォーターに着目し、「生産のために大量の水が必要な食べ物・飲みものの消費について、考える・工夫する」といった意見まで、様々な意見が出ました。前回から今回にかけて考えてもらいたかったポイントの一つは、私たちが普段食べたり飲んだりするものを作るために、外国の水資源や大量の穀物を必要としており、世界で起きる水不足や食料不足の問題は自分たちも大いに関係しているということです。そして、そのことを知ったうえで、「自分たちに何ができるか?」というのが今回の重要な視点となります。肉やコーヒーを一切我慢するというのも解決策の一つかもしれません。しかし一方で、世界には様々な方法でこの問題に立ち向かっている人たちがいます。最後にその事例について学んでいきました。

大豆やココナッツを原料とする「人工肉」開発の取り組み。本物の肉に比べて、生産時に必要な水や排出する温室効果ガスを8割以上削減できるそうです。

アメリカの大学生が立ち上げた画期的なシステム。いずれは世界中に広げていくことも視野に入れ、精力的に活動する彼らからは、自分たちにも何かできることがあるかもしれないと、考えさせられます。

まとめ

10月は2度にわたって「水」と「食料」の問題について扱っていきました。私は肉もワインも(それだけではありませんが)好きなのですが、それを生産するために大量の水や穀物が必要で、世界中の水不足や食料不足・貧困の問題とも大きく関わっているということを知り、深く考えさせられました。特に日本は食料自給率が低いので、食料不足の問題は私たち日本にも大きな影響を及ぼす可能性があり、重大な問題だと感じます。上にも記載しましたが、SDGsに関連して考えるうえで大切なことは、一人ひとりが「自分には何ができるか?」という視点です。起きている事実や問題について知ることで、すぐにでも自分にできることがあるかもしれません。その意味で、まずは事実を知って考える、関心を持つことは重要なのだと思います。

 

次回は11月6日(土)です。

外部の中高生の方も参加可能ですので、ぜひお問い合わせください!
(参加は有料です。詳しくは別途ご案内いたします。)

⇒お問い合わせはこちら