【OIC】10月「水問題」 第1回
こんにちは!
SSS主任コーチ兼MWCファシリテーターの木原です。
先日、和歌山県で水道橋が崩落し約6万戸が断水するというニュースが報道されているのを耳にしました。復旧工事は開始されたようですが、現地の方は本当に大変な思いをされていると思いますので、一刻も早い復旧を願うばかりです。
報道されているニュースからは、被害に遭われた方々が「蛇口をひねっても水が出ない」状況になっていることが分かります。数年前に発生した西日本豪雨などの自然災害でも同様の状況はあったと思いますが、今回の和歌山の件は私にとって印象深いものとなりました。というのも、この前日にOICプログラムで「もし蛇口をひねって水が出なかったら?」ということを皆で考えていたからです。今回の件で、本当に起こるのだなと改めて実感させられました。(木原)
10月2日(土)に
ジプロスLepton本一色教室(以下、レプトン本一色)さんと共同で、
「OICプログラム 10月第1回」を実施しました。
テーマは「水(水問題)」です!
OICプログラムとは?
OICプログラムは、世界で起きていることや重要なテーマについて関心を持ち、自分で考え行動するきっかけになるとともに
- 批判的・論理的に思考する力
- 他者と議論する力
- 自分で情報収集し、判断する力
を鍛えることを目的とした、主に中高生(一部小学生も参加可)対象のワークショップです。
テーマは月々ごとに様々で、これまで
- 6月「ジェンダー」
- 7月「中東問題」
- 8月1回「留学のあれこれ」
- 8月2回「SDGs」
- 9月「気候変動」
と、実施してきました。
OICのワークショップでは以下のことを大事にしています。
OICワークショップ参加するときの心構え
発言は自由!(どんな意見も大歓迎)
※答えは一つとは限らない
聞く姿勢も大事。人の意見に相槌や拍手を送ろう!
これには、
- 様々な視点で柔軟に意見を出し合って学び合うこと
- 意見を言うことにチャレンジすること
- 他者の話を聞く姿勢を身に付けること
を、実践してもらう狙いがあります。
今回のテーマについて
SDGsについて知る
今月に関連するテーマを扱う時、まずはSDGsの概要に触れていきます。参加者の皆さんには、世界で起きていることを知り考えていくうえで、このSDGsについては知っておいてもらいたいという想いがあるからです。
テーマに関するクイズ
前回に引き続き、はじめにアイスブレイクを兼ねてテーマに関するクイズを実施しました。使用しているクイズアプリでは正答数や順位が表示されるため、皆さん「今回こそは…」とひそかに燃えているかもしれません🔥
毎回恒例の、皆で楽しく学べる時間になっています。
※元々4択問題でしたが、以下の画像には選択肢は表示されていません
今月のテーマ
今月のテーマ
「水資源」と「食料問題」について考えよう
水資源や食料に関して、世界で起きている問題を知る
その問題について自分たちができることを考えてみる
今回のテーマは「水」ですが、上記のクイズの中にも話題が出てきていたように「食料問題」についても扱います。「いったいなぜ?」と思われるかもしれませんが、実は水問題と食料問題は大いに関係しているのです。
個人探究ワーク
この後本格的に今回のテーマについて学ぶ前に、一度以下の問いについて自分で調べたり考えたりしてもらいました。今回のテーマについて関心を持ち、この後のインプットをただ漠然と聞き流すことなく考えながら主体的に学んでもらうためのワークです。
探究ワークの問い
もし、水道をひねって水がでないとしたら・・・
どんなことに困りますか?
または、
もしダムや池が干上がってしまったら、
どんなことに困りますか?
日本ではそんなことは起こる?起こらない?
対策はされている?
それとも、想定外のことが起こることもある?
1つ以上、自分の考えを出してみよう。
どんな方法でも構いません。
ネットで調べたりして見つけてもOKです。
スマホやタブレット、PCで、
自由に調べてみてください。
出てきた意見 ※一部抜粋
水道が使えなくなったら、トイレや洗濯ができない
手が洗えなくなる
病気になってしまうかもしれない
料理ができなくなってしまう
お風呂に入れない
【日本で起こるかどうか?】
(何もなければ)この先30年は大丈夫だと思うけど、想定外のことは起こるかもしれない。
過去に実際にあった。例えば3年前の西日本豪雨。雨が全然降らず、川やダムは干上がり、お風呂に入れずトイレも使えない。そのような状態が1か月以上続き、その間1日1回給水車から水をもらう生活だった。
自分たちで何とかするというよりは、自治体が何とかしてくれたおかげで何とかなった。
世界で起きていることを学ぶ
皆で意見を出し合った後は、水と食料の問題について、実際に世界で起きていることを映像で学んでいきました。
食料を生産するためには多くの水を必要とします。中でも農業での水の使用は多く、世界の淡水使用の約7割は農業だそうです。これによって水源の一つである地下水が枯渇の危機に瀕している地域もあります。
また家畜を育てるためにも水が使われています。世界の穀物生産量は世界の人全員が生きていくために必要な量に達しているにもかかわらず、生産された穀物の実に3分の1は家畜の食料として利用されるため、世界の飢餓人口は8億人を超えているのが現状です。
動画内では、南アフリカでのワイン生産に関する事例が紹介されていました。この地域では記録的な干ばつやダムの干上がりが頻発しており、スラムの人々は1日バケツ2杯の水で生活しています。しかし一方でワイン業者は池に水を貯めて確保し、大量の水を使ってワインを生産しています。
私たち日本人を含め、先進国で暮らす人々はこのようなワインや大量の食肉の消費により豊かな食生活を享受しています。食料自給率は4割にも満たない日本で私たちが食料に困らないのは、多くを海外から輸入しているからですが、我々の食生活が食料分配のバランスに悪影響を与えていると言えるかもしれません。
次回に向けて
日本にいる私たちには中々実感しにくいことかもしれませんが、水に関する問題はこれからの時代を生きる私たちが向き合っていかなければならない重要な問題です。同時に食料の問題も、飢餓人口が増えることで今後ますます大きな問題になっていきます。もし食料生産や流通システムに問題が生じた場合、食料自給率が4割にも満たない日本は最も大きな影響を受ける国の一つになるでしょう。
今回の映像の中にこういった話もありました。
食料が不足するとその地域の治安は悪化し、さらに深刻化すると暴動が起きる可能性もあります。既に貧困地域ではそういったことが現実化していますが、これは日本でも起こりうることなのです。
私たちの食生活が世界の食料分配のアンバランスの原因になってしまっていること、この問題は今後取り返しのつかない大きな課題に発展するかもしれないこと、今回はこのことを身近な問題として捉えなおすことが狙いでした。これをきっかけに、身近な食品ロスや無駄遣いの問題に関心が向くだけでも大きな進歩だと思います。
最後に、次回に向けての課題を出しました。以下のテーマについて各々調べたり考えたりして、次回発表してもらいます。
次回は10月16日(土)です。外部の中高生の方も参加可能ですので、ぜひお問い合わせください!
(参加は有料です。詳しくは別途ご案内いたします。)⇒お問い合わせはこちら
ではでは!