第204回「東大の存在感」

第204回 探究型ワークショップ実施!
今回は「東大の存在感」というテーマで探究していきました。

今回のテーマについて

ファシリテーターの木原です。

今回は「東大の存在感」というテーマで、

東大という存在が我々や日本社会に与えている影響

について考えていきました。「東大」という日本人であればだれもが知っている存在だからこそ、その影響力は大きいのではないかなと思います。

私は教育の仕事をしていることもあり、やはり「東大」といワードから真っ先に連想するのは受験ですね。「とりあえず東大」を志望するという高校生もいまだに毎年それなりにいるくらい、偏差値重視の風潮とそのトップに東大がいるという構造は根強く成り立っていると思いますし、私自身も「東大です」と聞くと思わず「おお、すごい」と思ってしまうくらいには、「東大」というブランド・存在から意識・認識の影響を受けているのだなと思います。

今回このワークショップを企画して面白かったのは、東大のアドミッションポリシーや、リベラルアーツをベースとした教養学部のあり方について知れたことです。受験業界でも仕事をしながら実は今まで東大のアドミッションポリシーをちゃんと読んだことなかったな、、と今さら気付かされたのですが、これが読んでみると面白いものです。↓リンクを貼っておくので、ぜひ読んでみてください↓

【参考】東京大学アドミッションポリシー
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/booklet-gazette/bulletin/561/open/B-1-1.html

【参考】教養学部「グローバル時代のリベラルアーツ」
https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/about/booklet-gazette/bulletin/561/open/B-1-1.html

東大が育てたい人材とは、各分野で国際的なリーダーとして活躍できる人なのだな、ということが読んで分かりました。そのためにリベラルアーツを導入しているということですが、海外では一般的なこの学びの仕組みは日本ではイマイチ理解されていないところもあるのかもしれません。(漠然と「一般教養?」みたいな解釈をされがちですよね。)

上のページでも説明されていますが、奴隷、物を知らないことによる不自由から解放されるために必要な多岐にわたる学問を学ぶこと、が本来の意味合い。単に知識を沢山入れることではなく、学んだことを活かして世の中のことやより多くの学問に通じ、より多くの人とコミュニケーションを取り世界を広げていく。学び得たことを活かして、より良い世の中を創っていくことに貢献すること、これが大切なのだということです。

その意味では、東大で学ぶためには(結局、他の大学でも同様だと思いますが)そこで学んだうえで自分はどんな人になっていくか、どのように世の中に貢献していくか、そんな志を持ち、受け身ではなく自ら多くのことを吸収し成長していく姿勢が大切なのだなと思います。単に「偏差値の高いところ」「入試の最難関」という認識では本質とズレてしまうのかもしれませんね。

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グループトーク

参加者の意見・やりとり

Marchにあらずんば人にあらず

という刷り込みを受けたことがあります

平家かな…?

東大は文章題多い雰囲気!

帝国大学ですもんね?>エリート養成

旧制高校のものも含まれるから、教養が入っているのですよね。

↑なるほど!

お役人系と銀行系がないな…>就職先

フィリピンなのですね…>アジア最古の大学

【東大の役割は】

日本教育(教化方針)のフラグシップ。
それは日本教育の灯台…(とうだいだけに)

>フラグシップ
内外からの基準、常識、ルールなどの形成。(教育制度)
(教育)業界の方法性の指針
日本制度(ソーシャルリアリティ)の方向性(東大だから…)
日本国内教育・研究の限界(だめなら外行こう)

>(公立)大学のトップとして
結局のところ国が運営する教育機関なので、
教化方針を醸成することとなる。

なので、支配や常識や(国家間の)争いがない/放棄するのなら、
教育機関はいらない。

>東大がなかったら(教育に日本が介入できなかったら)
より文化は混ざり合う(相手の教育に抗うすべが減ってしまうので)
*でもなんらかの方法で間接的に介入しそうだし、
知の集積は効率的な統治(≒支配)に有効なので、そのうちできそう。

学力とは何か

5教科漫勉なくとれる?

3教科だけめっちゃとれる?

全教科50点⇒官僚的な考え方

中学受験が全国的に緩くなる
けど学歴社会は残るでしょうね。京大や早稲田はあるからね。

東大を最終目標にして入ったら病む人が増えるらしいので、東大がなくなると学ぶこと自体に目的を持って学ぶ人が増える。学ぶことに豊かさを感じられる学生が増える。

国民のブランド思考が少し低下する。
京大は入試が東大より難しいらしいので京大がトップになったら考えて答えを出すトップの人が増える。

もし京大がトップになったら

「東大は日本のトップ」⇒何が?

と言う視点

コンプレックスを埋めるために東大目指す人多そうだけど、東大無くなったらコンプレックスをどこで発散する人が増えるのだろう?

東大はトップという「常識」が無条件に受け入れられている風潮はある

要領よくて知恵が回る奴と、めちゃくちゃ努力家な奴

がいる

どちらが良い悪いではなく、向いていることが違うから、「東大生なら何でもできるんでしょ?」みたいに思ってはいけない。

要領よくて知恵が回る奴と、めちゃくちゃ努力家な奴無理矢理勉強させられる子供が減ればいいなあ

ですね~

そうですよね~

こいつは一味違うな~と思わされる、革命を起こしそうなタイプは、首都圏の進学校でバリバリ勉強してきた人よりも、地方からのし上がってきた人の方が多いイメージ。

頭のいい人はリスク認知ができますからね

中国では地方点数制
⇒同じ点数だと地方受験者が落ちる
⇒でも本質的には地方出身者が強いはず

・「東大生なのに・・・」「東大生だから・・・」と学校名がその個人を説明する有力な手掛かりになる典型

・日本の大学を牽引する「国立」大学の意味

「気仙沼出身だからね」は東北でしか言われない

⇒東大というブランドが広く認知されているということ

東大出身だと「おー!」って言われるけど「東京工業大学出身です」って言うと「は?」ってなりますね

東工大、いいですよね!

イケメン・美人が顔しか見られない、みたいな感じ、、?

実は中身を見てもらいたい

でもわたしは、学歴ほめられてそんなすごくないよ!とか言いつつ心の中でヘヘッ(´∇`)ってなってます(°▽°)

ベンチャー採用⇒学歴見がち

採用の不一致へ
・社長「何でもできるやろ」
・給料、昇進スピード他の人と同じなんだけど、、で病んじゃう

東大生にとって、東大なのに、、、と言われることが1番辛辣かもしれないですね

【東大という存在が日本に与えている影響】
日本人の目標のシンボル
大学という存在の教科書的な存在

【東大が存在することで何がどうなっている?】
・官僚の育成
・才能ある人間を探しやすくする
・その人の頭の良さの証拠、社会的信用としてのエビデンス

【東大がもしなかったらどうなっている?】
・日本人の若者の目標のシンボルがなかった?
・大器晩成型の人が違った人生を歩めた?
(能力が18歳がピークの人と、18歳ではまだ低いけど年取ってから伸びる人)

ソクラテス、弁論術⇒ソフィスト
(声が大きくて、影響力がある)

上司を説得し、評価をもらえばええやん
という考え方

東大に行った人は報われてるのかなぁ…

東大に行ってからがスタートですよね!

合コンでモテなくて

仕事もできなくて…

本当にそれでええの、、?(偏見)

そもそも大学は、行きたい人が、やりたいことがあっていくもの

「もし東京大学がなかったら」
そうすると、おそらく西片町はあのような宅地開発にならなかったでしょうし、根津の遊郭もしばらくは健在であったかもしれない。 東京大学がなければ法政大学や明治大学も法科を中心に東京大学近辺に設立されなかったでしょうし、そもそも文京区が「文教の町」になったかどうかはなはだ怪しい。
(高級住宅地)大和郷や文学者たちの居住地も変わっていたかもしれない。
本郷の下宿屋街、旅館街なども成立しなかったでしょう。

などなど、東京大学の明治期の創設という条件が、この地域の現在に至る性格を規定していることは疑いをえません。
一方、東京大学があってもなくても、江戸・東京と農村地帯との境界にあったこの地域の都市化は一定の傾向をもって推移していったでしょう。たとえば神田から白山へと展開する製紙業・出版・製本工場の展開、(現在の東京ドーム付近にあった)砲兵工廠から白山に至るこうした中小企業と労働者の成立、白山三業地の成立など。

また酒麹の麹室や酒屋の立地は東京大学がなくても同じような推移をたどったかもしれないし、むしろ八百屋・植木屋・蔬菜生産などの都市と農村の境界でよくみられる生業の成立はあったでしょう。

面白い

芥川龍之介も三島由紀夫もさほど有名にならなかったのかも!?

生まれなかった説…!

大庭さんが今住んでいるアメリカの町(マーセッド)も、大学を中心に街が発展してるらしいです

1.教育と研究のリーダーシップ: 東大は日本最古の国立大学であり、高い教育水準と研究成果を持つ世界的な学術機関です。その優れた教育プログラムは、優秀な学生を育成し、日本の他の大学にも影響を与えています。また、東大の研究成果は、科学技術や社会の進歩に多大な貢献をしており、産業界や政府の政策形成にも大きな影響を与えています。

2.人材の輩出: 東大は日本で最も優秀な学生が集まる場所として知られており、卒業生は政府、産業界、学界などのリーダーシップポジションに進んでいます。彼らの知識やスキル、リーダーシップ能力は、日本の社会や経済の様々な分野において重要な役割を果たしています。

3.文化と社会への影響: 東大は日本の伝統的な文化や知識を尊重しながら、革新的なアイデアや国際的な視点を促進しています。学生や教職員の多様性があり、異なるバックグラウンドや専門分野の交流が行われています。その結果、日本の社会や文化に新たな視点や価値をもたらし、多様性と包括性の重要性を強調しています。

4.社会的な課題への取り組み: 東大は社会的な課題に対しても積極的に取り組んでいます。例えば、持続可能な開発や環境問題、医療・健康分野、社会的な格差などについての研究や活動が行われています。これらの取り組みは、社会全体に影響を与え、持続可能な未来の構築に寄与しています。

と、chatGPTが言っていました。

こういうのが頭いいと言われてしまうのがホンマ気に食わん。(笑)

「頭がいい」とは?

東大・学歴は単なる入り口

過大評価されている感はある

大学生の頃、同じ大学の人との付き合いが多いが、社会に出ると違う。

東大生と言っても話してみると普通だし、皆実社会に出れば大した力はないのだから、実際よりも大きく評価されがち。

大学出た後の方が人生長いし、逆転のチャンスもあるのに、大学・学歴にとらわれながら生きていくのってもったいないよね。

教育の話=まず東大が話題に出てくる

金持ちの人しか東大に行けない
⇒金持ちの人も東大には行けない

東大に行けないと不幸?
それはおかしい…

格闘ゲームではチートはほぼ起こらない
(なぜなら強いプレイヤーを皆が知っているから)

評価基準が定まると、チートは起こらない

学閥を利用できるのは強い
(人は共通項ある人と仲良くしたい)

相手の話すには、相手の共通言語を話せる必要がある

日本の教育を変えたい⇒日本の教育を受けたことがある

ファシリテーターの意見

「東大」という存在が日本に与える影響

〇受験業界(=教育への影響)
・「東大志望」という形で多くの中高生の意識に影響している
(予備校業界の告知にもよるかもしれないが、、)
・中高生が海外へチャレンジを阻害する要因になっている
偏差値=価値
東大=最高峰
というイメージが根付いてしまっているので、、
※偏差値ではなく、より本質的に質の高い教育機関であるという側面から、そして世界を目指せる大学であるという側面から、目指すようになればいいなって思います
・東大が出した問題は、年度を経て別の大学へ
(別の大学が真似するので)
⇒高校は、大学進学のフォローに力を入れがちなので、結果高校の教育のあり方は東大から影響を受けている

〇出身者(人材育成)面
・多くの政治家(首相経験者)含むを排出
東大には官僚養成
・凄まじい処理能力と暗記力のある人材を多く生み出す

〇研究機関 / 研究者養成機関
・自分は明治出身だが、自分がいた物理学科の教授はほぼ全員東大卒だった
・論文引用数もそうだが、ちゃんと学会で通用する研究者になりたいなら、数少ない「学ぶべき場」の1つ

〇国際的なプレゼンス
・唯一(?)世界で名前が通る大学「University of Tokyo」
・ランキングにもよるが、次いで京大はグンと下がるので、「教育機関」「研究機関」として国際的に信用を得られる貴重な機関ではなかろうか

〇スポーツ/文化
・野球がクソ弱い

〇その他
東ロボ君の目標になっている

ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう!

次回は

5月26日(金)19:30~21:00
第205回「多すぎるもの・過剰なこと」を予定しています。

引き続き、楽しくて学びになる探究を実施してまいりますので、お楽しみに!

OIC

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