第180回「オシャレ」
今回は「オシャレ」というテーマで探究していきました。
今回の問い
「オシャレ」と言われるのってどんな状態?
また「似合う」って何だろう?
今回のテーマについて
ファシリテーターの木原です。
今回は前回とは打って変わり、ポップなテーマで実施してみました!
設定してから気づきましたが、今回のテーマは意外とこれまで思い浮かんだことがなかったものでした。
「次はどんなテーマにしようかな~」
と考える時に、
「あ、意外とこれは、答えのない良いテーマなのでは?」
と、ふと思い浮かんだ形となります。
「オシャレ」
の基準は、時代や地域・文化によって変わってくるものなのでしょう。
平安時代の人たちや、アフリカの部族の人たちと、私たちとでは、価値基準が違うためです。
ですが、各々の文化や価値観の中で
「こいつイケてるな~」
と皆が思うポイントはあるのではないかと思います。
そしてそのポイントの本質は、文化は違えど共通するものがあるのではないか、そんなことも考え、今回探究してみることにしました。
また今回のテーマにちなんで、ファッション業界の仕組みについても少しインプット。
「トレンド」ってそもそも誰がどうやって決めているのか?
(どう決まるか、じゃなくて、誰が決めるか、なんですよね)
ということも内容に盛り込んでみました。
グループトーク
なんと、私を含め今回の参加者は全員
「オシャレには興味ありません」
ということでした。(笑)
しかしながら、今回のグループトークも実に様々な視点からの意見が出てきて、大変刺激と学びをいただきました。
個人的には
「オシャレとハイコンテクストの話」や「縄文時代の装飾品の話」
が大変とても印象に残りました。
(これ、面白いのでぜひ詳細をご覧いただきたいです!)
実は元々この探究を作る際に
「なぜ我々は服を着るのか?」
という問いも候補として考えていたのですが、
奇しくもグループトークの中で
「なぜ装飾品を身に着けるのか?」
といった議論になっていったのも面白かったです。
参加者の意見・やりとり
われらは毛の少ない猿だったとか…!
馬関連のブランド(コーチとか)も多いですよね!
クレオパトラとかもですね!
戯れ(たわむれ)なのか…!
おしゃれとは
手間をかけて個性を表現すること
似合うとは
既存の世界と調和が乱れていないこと
または
講和を乱さない法則を見出すこと
↑
もし自分が広辞苑に書くなら、と、表現を考えてみました~
スリ族
ヒンバ族
「調和とは何か」という問いに変換できそうですね
ふむふむ。。。
すごーーーーーーー!
おしゃれな○○⇒衣服に限らない
人が心地よいと感じる
⇔怪物の作り方
(映画などの演出において、どんな要素があれば怪物になるか)
粋 野暮 気障(オシャレと似合うについて)
仮に現代の”おしゃれ”という概念を日本の古くからある言葉に当てはめるとすれば、江戸の市民に尊ばれた「粋」という概念になるのでは・・・。
粋とは何か?粋とは「野暮」の反対。野暮ったいとは今風に言えば「ダサい、冴えない」?つまり野暮の対局にある、かっこよくて洗練されている様子が「粋」ということ……なんて思っていたら、どうやれこらがまたそう簡単じゃない。
「野暮」の対局は「粋」ではないらしい。これ、わかりますか?
野暮の対局、それは気障(きざ)。国語辞典で「気障」と引いてみると、「服装や言動などが気取っていてイヤな感じをもたせること。また、そのさま」とある。江戸っ子たちはこの「気障なふるまい」を「野暮以上の野暮」とみなし嫌っていたのだそうだ。
つまり「キメすぎ」は「気障」であって「粋」じゃない。キメすぎない、少し引いたスタンスのハズし、その余裕のある様こそ「粋」の本質。
九鬼周造著:「いき」の構造 ってのもありますね。
東洋には「気」に関する概念いっぱいありますよね。
漢方の世界でも気は大事です
縄文時代の「おしゃれ」はどうやって知ることができるのか?縄文人は文字を持たなかったので当然文献は無く、また絵画も残っていない。手がかりになるのは、遺跡から発掘された土偶や装身具です。
「ミミズク土偶」 大きな耳には丸い大きな耳飾り、首には丸い石の珠がついているネックレス、頭部の突起は高く結った髪型、櫛の様なものもさしているようだ。
このみみずく土偶が発見された周辺では、土で作られた丸い耳飾りも数多く発見されている。
このミミズク土偶は、1万年以上続いた縄文時代の終盤の今から4.400年前ぐらいに作られたと思われ、これと似た土偶は、関東地方でいくつか発見されています。
遺跡から発掘された装身具の中でひときわ目をひくのが、このデザイン豊富な土で作られた「滑車形耳飾り」。「みみずく土偶」の様に耳にはめ込むタイプで今でいうピアス。 小さなものから直径が10センチくらいある大きなものまで様々。直径10センチのもの‥実際に耳にはめ込んでいたようだ。
「けつ状耳飾り」。耳に挟むタイプの今のイヤリングか。 石を数珠つなぎにした首飾りは、祭礼用と思われます。勾玉は、石やヒスイなど種類が多く、魔除けや厄除けと言った意味で日常的に身につけられた様です。そのデザインには、「胎児の姿」や「獣の牙」「太陽と月」等々、諸説あります。
土の耳飾りの他、ネックレスなどは琥珀、ヒスイ、滑石、黒曜石を加工したものが多くみらる。なかでもキラキラ美しく輝く”天然のガラス”と言われる「黒曜石」は縄文人の憧れの的。主たる産地は新潟から中部地方で、長野県から山梨県にまたがる八ヶ岳北鹿からは多くの発掘跡が見つかっている。
縄文人の装身具を見ていると、今の私たちとあまり変わらない「おしゃれ心」が見えてくる。そして「美しいと感じる心」は、人間にとって不変なものであるようだ。
なぜ、色々な文化で「耳に飾る」のでしょうね。
ピアス的なものっていろんな地域にあるし。
いろんな願いが込められていて、おしゃれって人受けを狙うものだけの意味では無いかもしれませんね
ピアス、、身体にくっつけるもの、身体からぶら下げるもの?
⇒モチーフは、果実とか、、?
なるほど~そういう呪物的な意味もあるのですね
意思の種類によっては紫外線で変色(退色)しますからね。
「ベルガード」
だったかな。メジャーリーガーも愛用するスポーツ用品で、身に着けると体幹が凄く強くなるなどの効果があるものがあるんですけど、これって量子力学的な効果で、ちゃんと研究して作られたらしいです。
自然界にはパワースポットと呼ばれる場所もありますが、縄文時代から、「なんかこれ身に着けてると良くなるなぁ」ってものはあったかもしれませんね。(そしてそれば、ちゃんと分析すれば科学的根拠もあるかもしれない)
一方でその反対で分かりやすいものは放射性物質?
⇒身に着けてると具合悪くなって死ぬやつ
今でこそ理由も解明されてますが、昔はそれこそ呪いのアイテムに見えたことでしょうね。
なんか出てるw >放射性物質
現代の「機能性」と昔の「機能性」は違うかも
(昔はそういうまじない的な機能が求められてたりして)
自己暗示?自己催眠?
太極拳の練習⇒頭に湯飲みを載せる
なぜ「身に着ける」のかって問いを作れそう
>「おしゃれ/似合う」ってどんな状態?
おしゃれ: 対象にハイコンテクストを想起させる外見
似合う: その上で対象に好感を感じさせる外見
*おしゃれだけど似合わない
似合うけどおしゃれじゃない。
もある。
>人が外見を整える意味 自己表現したいから
(自分の気持ちいい外見)
他社評価を向上させたいから
(好感度を得る外見)
”通行証”が欲しいから
(ゴスロリ/ドレス/スーツ/量産型○○…)
”身分”を伝えたいから
(制服/冠位十二階/勲章…)
”演じたい/宿したい”から
(民族衣装一部、着ぐるみ)
その他機能
(生存能力を向上させたいから:ダイバースーツ…)
*機能性からファッションの例:
【カーディガン】
イギリス陸軍の負傷兵が着脱しやすいように、Vネックのニットを前開きできるようにしたものが起源
>おまけ:
ファッション色々 最近は
「着回しのよさ」
「機能性」
が多くなる傾向(ソース不明)とか…
→好きだから買うから”使えるか”がメインに…?
>国ごとのイメージ(良さ)の違い:
海外デザイナー作成の日本語Tシャツ
(イケメンが”ブロッコリー”と書かれたシャツ来てたり)
オシャレだけど似合わない
オシャレじゃないけど似合う
もある
神様の力を借りるために、神様の姿になる
異文化の格好を着こなす人って、オシャレですよね
それこそ、ハイコンテクストってやつですね
ブロッコリー怪物になってる
わかる
タイに行った日本人が、タイの衣装を着た時
現地の日本人からは「オシャレだね」と言われたが
現地のタイ人からは微妙な反応をされた。
>>ハイコンテクスト
着物を着た外国人を見る時のような「そうじゃない感」があったわけだ。w
色の意味は時代ごとに違う
中国のHな色は黄色でしたっけ?
権力者・高貴な人の色=エロい色
になるのはよくあるパターン
ファシリテーターの意見
〇「似合う」とは何か?
・サイズが合っている
・本人の見た目やキャラの「○○っぽさ」と、服装の「○○っぽさ」が一致している
〇オシャレとは何か?
・格好悪くない
・・・
・全体的に整っている
「整っている」って何だろう?
ぐちゃぐちゃじゃない?
汚くない(汚いものを連想させない)
↓
“全体から”情報を読み取れること?
広告やチラシのデザインのポイントなんかに、ヒントが隠れてそう
https://chot.design/concept-of-design/
人間は見ているものに法則性が見いだせる方が安心する
(そんな性質を持っているような気がするので)
そういうもの。
ご参加くださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう。
次回は
11月25日(金)19:30~21:00
第181回「量子もつれと量子コンピュータ」を予定しています。
※18日(金)はお休みとなります。
引き続き、楽しくて学びになる探究を実施してまいりますので、お楽しみに!