第74回「正負両面から考える 安全保障」

第74回 探究型学習コース実施!
 
【アイスブレイク】
ポジティブあげ⤴あげ⤴ゲーム大会!
・出されたお題に対して“ポジティブな”イメージや側面をひたすらあげていく
・1分間×3回で最も多く書き出せた人が優勝!
ということでお題は以下の通り。
 
①コロナ
②政治家
③東日本大震災
 
1分間という短い時間の中で、とにかくたくさんのポジティブな面を出していった今回のブレストは、“すべて物事には両面がある”という今回のキーワードに即してその後考えていくうえでとても良いウォームアップとなりました。
ということで本編!
 
【インプット】
・戦争とはそもそも何だろう?
 →文化、究極の解決手段、政治が絡んだ戦い…
・例えばこんな「定義」がある。
 
(1) クラウゼヴィッツ(『戦争について』)
「戦争とは一種の強力行為であり、その旨とするところは相手にわが方の意志を強要するにある。」
「戦争は政治におけるとは異なる手段をもってする政治の継続にほかならない。」
 
(2) Q・ライト(『国際関係における安定と前進』)
「法的意味においては、戦争とは、二つあるいはそれ以上の政治集団が軍事力により対立を解決するようにひとしく権利を与えられた状況、と考えられる。」
「社会学的な意味においては、戦争とは、かなりの規模の軍事力によって行われる政治集団間の対立、をいう。」
 
(3) G・J・シャミス(『国際関係における戦争とテロリズム』)
「戦争とは、二つあるいはそれ以上の政治体間の軍事力による継続する対立によって特徴づけられた、闘争の一時的状態である。」
 
(4) J・リーヴァイ(『現代大国システムにおける戦争』)
「戦争とは、独立した政治体の組織された軍事力間の実質的な武装対立である。」
 
・・・
 
・↑この中に共通していることって何だろう??
・実は「戦争」と一口に言ってもその定義は曖昧
・「戦争反対」という主張に対しても、具体的に“何に対して”反対なのか、という視点もあるのでは?
 
・戦争の目的とは
A:主権を護る
B:覇権を争う
C:利権を争う
D:主義・宗教を争う
E:国内権力を争う
F:植民地争奪
G:略奪
 
・超限戦(21世紀の「新しい戦争」)より
>孫子は「武力戦争」は避けるのが良い、そのために、あらゆる使えるものを駆使しろと言った
>戦争は実は非常に多くの種類がある
 
【軍事】
核戦争、通常戦、生物化学戦、生態戦、宇宙戦、電子戦、ゲリラ戦、テロ戦
 
【超軍事】
外交戦、インターネット戦、情報戦、心理戦、技術戦、密輸船、麻薬戦、模擬(威嚇)線
 
【非軍事】
金融戦、貿易戦、資源戦、経済援助戦、法規戦、制裁戦、メディア戦、イデオロギー戦
 
【問いかけ】
①「戦争」のポジティブ・ネガティブな面を挙げた上で、人類が「戦争」を複数回行ってきた理由を考えてみよう。
 
②あなたが米国・中国・ドイツ・インドのそれぞれ大統領(首相など)である場合、国益のために「戦争」をした方が良いか。或いはしない方が良いか。
 
 
【探究】
ーーー
 
【戦争の定義】
→逆に戦争じゃないことはなんだ?
協力して作り出すこととか?
と、いうことは…
現状限られているリソースを他を取り合う行為
そして直接/間接的に相手の繁栄にダメージを与える行為
(でもってそれに相手が気づいて同じ/類似の行為をする)
これが戦争では?
*早押しクイズなんかは戦争、防衛も戦争の一部
*リソース無限なら戦争するかなあ…?
 
【戦争をする理由】
欲しいものを得たい、幸せになりたい、不幸になりたくないと思うから。
植民地支配の交渉が戦争になった話
 
【首相だったら戦争する?】
どの国でも絶対戦争する。
リソースを生み出すより取リあう方が(少なくても開始時の見積もりでは)
低コストであり
相手もしてくるから
 
【ゲームプレイの基本】
VP(勝利点)は差額
ヘイトをコントロールせよ
漁夫(漁夫の利)に気をつけよ。
→現実世界も変わらんなあ…
以上。
 
ーーー
 
〇戦争のポジティブな面
・土地や人、金が手に入る
・経済が回る
・相手を弱体化させることができる
・自分たちの強さを誇示できる(自分たちが優位に立てる)
・軍の練度が高まる
 
なぜ戦争をするのか:得たいものがあるから
日露戦争や太平洋戦争初期→自分が弱い場合、短期決戦で勝利し和睦したかった?→身を守る手段の一つとして実施
 
中国
世界進出したい(シーパワー得たい、他)
根回し終了したら、アメリカに仕掛けさせる
経済的には、アフリカや世界中の港を抑えたい
→広義ではすでにいろんなとこで戦争中
 
インド
やるなら中国と?
ムカつくが、できればしたくない。
→万一勝っても得るものが少なすぎる
(世界進出の野望がない? のであれば、戦争をする理由がない)
→あるとすれば、自国防衛
経済的には、、日本を取りたい
(日本企業のトップは雑魚が多いので、優秀な人材派遣しまくって乗っ取る)
また米国企業の中枢にも人をやる
 
ーーー
 
戦争のポジティブな面を見ると、
利益を追求する → それを阻止するところが現れる → 戦争になる
利益を追求する → この国や人に奪われたくないな… → 戦争になる
人に欲求がある以上戦争になる
 
アメリカの場合:戦争に勝てる保証があるから経済的にはやってもいい人の命の補償はできない。だから国益といえどその人が生産者となり利益を上げた方が得になるんじゃないかと考え戦争をしないかな~
中国の場合:人口が多いから、その人たちの生活のためにも、国益を伸ばしたほうがいい→軍事力ではアメリカに負けるため、サイバーテロなどの面と面とを向かない戦いへ
ドイツ:第2次世界大戦の二の舞、やらない
インド:中国と同じ感じかな~
 
ーーー
 
①謎の勝てる自信があるから
 こちらに得があると考えるから
 1回勝ち調子に乗ってるから
 子供みたく欲しいものは欲しい
 
②ドイツ…どうせ暗号解読されるからいいや
 インド…あまり厄介事作りたくない
 中国…どうせ眠れる獅子(笑)ですよ……………..
 でも海洋進出したい
 アメリカ…威圧はしようかな
>>どうせ暗号解読されるからいいや→面白い笑
>>フビライハンとか、ナポレオンの動機はなんだったのでしょうね。
 
ーーー
 
〇紛争を解決する手段
 
〇ポジティブ面
・自国政府の主目的を逸らすため
・レアメタル・石油・貴金属・ダイヤモンド 
・富の再分配
・意志統一
 
〇ポジティブ面
・国民の負傷、死
・生産性の低下
・亡国、滅亡
 
ーーー
 
〇良いところ
・技術が進む
・人げ懸命に活動する
・資源や市場などのなどの権益を得られる
 
〇悪いところ
・人が死ぬ、傷つく
・生産設備が破壊される
・社会資本が棄損される
・個人の資産が既存される
 
〇国益をなんと定義するか
 
〇支持者を固めるために、支持率を上げるために、戦争をする
 
〇大統領や主席などの地位を守るために、支持率を上げることができる
 
〇愛国心を鼓舞できる、人を熱狂させられる
 
〇国の誇りを守るために
 
〇国の大義を守るために戦る
 
〇勝てば、相手の勢いをそぐことができる
 
〇勝てば、相手の主権者の県政をそぐことができる
 
〇危機感をあおるとか、愛国心を鼓舞するとかで、人を活発に動かすことができる、
 
〇強制的に経済を回すことができる
 
ーーー
 
〇メリット
・戦争後に経済が回る(消費しかないため)
・侵略した分の領地が使える
 
〇デメリット
・死者が出る。
・お金をたくさん使う。
 
〇一番はやはり人間という生き物が勝利という感情に喜びを感じてしまうことが原因
 
〇米国:戦争すべき→貿易戦争をして他国の力を削ぐ
 
〇中国:戦争すべきでない→現状における香港情勢など踏まえると何かすると世界から見てあまり良い印象を持たれないので今はするべきでない
 
〇ドイツ:戦争すべきでない→世界大戦における2度の敗戦もあるので、国として戦争すると今後の世界での立場が危ういため
 
〇インド:するべき→情報戦争、軍事戦争ではなくある程度の範囲で相手の力を削ぐようなことをしていく。相手国の企業の力を削いでいく。
>>利益を追い求める根本は、欲なのか不安なのか、気になりました。
 
ーーー
 
〇領地が増える
 
〇食べ物を大事にするようになる(火垂るの墓)
 
〇発展しない
 
【ファシリテーターより】
今回の記念すべき第74回 探究型学習コースでは、日本においてタブーとされている「戦争」を取り扱いました。
 
「戦争」という言葉を耳にすると、
「絶対ダメ。やってはいけないもの。殺戮。恐い。」
といったイメージが頭を過る。大半の方がそうでしょう。
しかしながら、戦争は人類が繰り返し行ってきた営みであることは周知の事実であり、あなたが人間である限り、向き合わざるを得ないテーマです。
人によっては、固定観念が根強く、嫌悪感を惹起しかねない重いテーマにも拘わらず、本イベントに参加された好奇心旺盛な皆様に、心から敬意を表します。
また、本イベントを通じて、物事をある一側面だけでなく、多方面から捉えるきっかけや訓練となったのであれば、私は非常に嬉しいです。
 
本イベントにおいて、私が印象的だったと感じた点は以下のとおりです。
・戦争の定義について考えたことが、今まで無かった方が大半を占めていた点。
 
・多くの参加者が戦争のネガティブな側面よりもポジティブな側面に焦点を当てていた点。
 
・人類が戦争を繰り返してきた原因について、人間そのものの特性に焦点を当てていた方と地球上の資源等の有限性に焦点を当てていた方に分かれていた点。
 
・「あなたがもし大統領だったら…」という問いにもかかわらず、多くの参加者が、無意識に第三者且つ被統治者の視点で意見を述べていた点。
 
・一個人としては戦争を回避したいものの、国を率いるリーダーの立場となった場合には、やむを得ない手段として戦争を容認するという価値転換が起きていた点。
 
以上を踏まえれば、私が思い付いた次に考えるべきテーマは
「主権は国民にあるのか。政府にあるのか。」
「民主主義は戦争を防ぐ思想か。促す思想か。」
です。
 
話すことがタブーとされており、多くの方が思考を巡らせていないテーマには、実は好奇心を擽る面白い要素が満載です。
 
タブー、関心が薄い、何となく難しそう…そのようなテーマにこそ、あなたの中でイノベーションが引き起こるスイッチが隠れています。これからの未来を描いていく一人一人の中で何かが開花し、閉塞感ではなく、開放感が溢れる世の中になることを切に願っております。
 
そのような開花/開眼する方を一人でも多く増やしたい思いで私は日々活動しています。私と共創したい方がいましたら、お気軽にご連絡ください。
 
最後に、本イベントの運営にご協力いただいた皆様、トータルファシリテーターの木原先生に対して、心から御礼申し上げます。
 
参加してくださった皆様、ありがとうございました!
またやりましょう。
次回、第75回は
『すべてを解決する魔法の言葉か? はたまたうまくいかない原因の呪いの言葉か? 「やるき」を探究する』
を予定しています!
(「やるき」ってどうやったら出るの??)
 
今後もまた面白くて学びになる探究の場を実施してまいりますので、お楽しみに!
探究

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